【通販・訪販2024年】 竜の如く飛翔する年になるか(2024年1月1日新年特大号)

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 アフターコロナの23年は、多くの通販・訪販企業にとって追い風とはならなかった。60年前は東京五輪に沸いたという、縁起の良い「甲辰(きのえたつ)」の年回りの24年、通販も訪販も、竜の如く飛翔する年となるか。「画竜点睛を欠く」「竜頭蛇尾」の一年にはしたくない。それには、「竜の頷(あぎと)の珠を取る」の言葉通りリスクを取る必要もあるだろう。そして何より、市場に吹く「新しい風」を感じて施策を行うことが肝心だ。ブルース・リーが映画「燃えよドラゴン」で言い放った言葉が参考になる。「ドントシンク、フィール(考えるな、感じろ)」

【通販市場予測】 逆風は24年も吹き続ける/新たな”発想””挑戦”が突破口に

 アフターコロナの通販市場は、リアル回帰による需要の減退に加えて、さまざまなコスト高、広告効率の悪化、法規制の強化といった逆風が吹き続いている。売り上げを伸ばしにくく、利益を残しにくい難局だといえる。この傾向は24年も続きそうだ。
 売り上げを伸ばすためには、新しい発想の施策が求められる。


■逆張りで発行回数増へ

 カタログハウスは24年からカタログの年間発行回数をこれまでの1・5倍となる年4回から年6回に増やす。ネットシフトを進め、カタログの発行部数や頻度を落とす通販企業もある中で、逆張りの施策だといえる。
 カタログハウスは読み物が多い通販カタログとして知られている。常連客は「通販生活」で買い物するのと同様に、誌面を読むことを楽しみにしている。
 その強みを生かし、発行頻度を上げることで、既存顧客のマインドシェアを高めたい考えだ。「通販生活」に触れる機会が増えれば、既存顧客の購入回数が増え、LTV向上も期待できる。
 このような取り組みで、来期(25年3月期)は売り上げを上向きにしたいとしている。


【訪販市場予測】 「バラ色の未来」へ/新しいニーズを新しい方法でつかむ

 「アフターコロナを迎えればすべてはバラ色になるはず」─。多くの訪問販売企業が抱いていた、そんな淡い期待が打ち砕かれた23年だった。サロンへの集客や個別訪問など、リアル展開がしやすくなった側面はあるが、物価高や人材獲得難などが邪魔をし「バラ色の未来」はいまだ訪れていない。そんな中迎えた24年においては、新しい時代の新しい顧客ニーズを、新しい方法でつかみに行った企業が、成功の果実を手に入れそうだ。
 訪販企業には停滞感が広がっている。例えば、住設訪販。再生可能エネルギーの補助金などは付きやすい環境になっているが、「同業者との競争激化」「物価高による消費者の購買心理の冷え込み」「依然としてくすぶる『対面』への抵抗感」「人材獲得難」などが足を引っ張り、成長を妨げる構図となっている。
 「人材獲得難」が足を引っ張っているのは宣伝講習販売も同様だ。

(続きは、「日本流通産業新聞 1月1日新年特大号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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