【雪国に特化した太陽光発電「ALPHA―1SOLAR(アルファワン・ソーラー)」】 <日本住宅総合開発> 雪国に太陽光の普及を(2023年10月5日号)

  • 定期購読する
  • 業界データ購入
  • デジタル版で読む
両面から発電できる「ダブルガラス」の設計を用いた

両面から発電できる「ダブルガラス」の設計を用いた

 日本住宅総合開発(本社愛知県、加藤皇大社長)は9月15日、同社で独自開発した太陽光発電「ALPHA―1 SOLAR(アルファワン・ソーラー、以下、アルファワン)の販売を開始した。アルファワンで、雪国地域における太陽光発電の普及を図っていく。
 これまで、雪国地域における太陽光発電の設置は、積雪の影響から設置・工事やメンテナンスが難しく、費用対効果なども得にくいのが現状だった。
 大雪が発生すると、電気などのライフラインに障害が起こりやすく、倒木などによる停電も生じやすい環境にあるという。同社の調査では、「雪国で太陽光発電が設置できるか」「設置したとしても発電するか」などの悩みを持つ住民も多いという。
 アルファワンは、電気の障害対策に加えて、豪雪地帯で暮らすユーザーの悩みを解消し、貢献できる製品として開発した。
 設置対象は、戸建ての屋根が主となるが、中小規模のビルやマンション、小売り店舗などへの設置も条件によっては可能だとした。


■N型と30年保証を採用

 積雪が多い豪雪地帯でも太陽光発電が利用できるように設計したアルファワンは、低照度でも高効率な発電ができるN型シリコンを太陽光発電に採用した点も特徴の一つ。また、保証期間は製品が15年、出力保証は30年という長い期間に設定し、雪国での利用のしやすさも追求している。
 N型シリコンは、朝や夕方、曇り、雨など太陽光が低照度の時でも、多くの発電を可能にする。加えて、太陽光発電は、両面から発電できる「ダブルガラス」の設計を用いて、雪が持つ太陽光の反射率が高い特性を生かす形にした。「例えば、晴れの日にスキーやスノーボードに行くと、顔が焼けて黒くなる。これは、雪の反射率が高い一つの証拠でもある」(加藤社長)と話す。
 他にも、国際基準の2倍の耐荷重仕様を採用した。積雪荷重は、550キログラム/平方メートル、風速は61メートルの風圧にも耐えられる。
 製品の品質では、欧州の認証機関である、ドイツのテュフズードの認証試験「TUV(テュフ)」もクリアした。テュフ認証は、機械・電子機器や医療機器など、あらゆる製品に対して、安全性や機能の有効性が認められたことを認証するものとなっている。


■ワンストップサービスも生かす

 アルファワンの開発背景には、同社が北海道や東北、日本海側などの雪国地域における営業展開を主力にしていることも理由の一つになっている。積雪地域での営業から自社施工による設置工事、年1回のアフターメンテナンス、緊急対応などワンストップサービスを提供できる体制のもと対応している。
 積雪エリアなどには、太陽光発電の工事を手掛ける会社が少なく、競合他社と被らないエリア展開が同社の戦略の根底にある。
 太陽光発電の販売や工事以外に、除雪作業も行っている。太陽光発電の除雪を専門的に手掛ける会社は少なく、除雪の依頼や問い合わせは、年間30~40件あるという。
 加藤社長は、「アルファワンという自社ブランドの新製品のローンチを契機に、当社の今後の方向性もいろいろと変えていくつもりだ」とした。さらには、「積雪地域で太陽光発電が設置できない住宅をゼロにすることを目標に掲げている。国内大手の太陽光発電メーカーと肩を並べられるような会社を目指していく」と意気込む。

国際基準の2倍の耐荷重仕様を採用し、多雪地域にも設置が可能

国際基準の2倍の耐荷重仕様を採用し、多雪地域にも設置が可能

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

Page Topへ