【 <コロナ後の変化と24年のトレンド> 楽天グループ】おせち商戦に向け始動(2023年9月7日号)

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ECコンサルティング部 シニアマネージャー 西本佑介氏

ECコンサルティング部 シニアマネージャー 西本佑介氏

 楽天グループ(楽天)は9月4日、24年のおせち商戦に向けたトレンド予測を発表した。購買データやアンケートから「奮発」と「特化型」の二つの傾向が顕著になると予測している。比較検討ニーズの向上から「おためしおせち」も伸びるとみている。ペット用のおせちや、ふるさと納税の返礼品のおせちなど、コロナ禍を経て多様な商品や購入方法が台頭している。
 「楽天市場」における23年正月向けのおせちの流通額は、20年正月向けと比較して約1.9倍伸長している。


■複数人用が人気に

 トレンドとして、(1)「奮発」と「特化型」の二極化(2)高まる比較検討ニーズ─があると分析している。
 アンケートによると、24年の正月の過ごし方として、約9割が自宅や帰省先など、親族の家などで過ごすと回答している。53%が「3―4人用」、17%が「5人以上用」のおせちを購入予定と回答した。
 24年の正月は、複数人用のおせちを購入する人が増える見通しだ。大容量、品目数の多いもの、鮑など豪華な食材を使用したものなど、「奮発」おせちを購入する人が増えると予測している。
 一方で、ライフスタイルの多様化により、おせちのニーズが多様化し、「単品おせち」の組み合わせを楽しむ人も増えたという。さらに「肉尽くし」「オードブル」「フルーツ」「スイーツ」など、「特化型」おせちを購入する人も増えている。


■「おためし」が26倍

 おせちをECで購入することで、「失敗したくない」というニーズも顕在化している。そこで低価格・少量で試せる「おためしおせち」が人気を集めている。23年正月向けの「おためしおせち」の流通額は、20年新年向けと比較して約26倍に拡大している。注文件数は約4倍になったという。
 22年はおせちの流通額の約1割が、9月までに購入されており、注文の早期化が進んでいるという。楽天は8月18日、「楽天市場 おせち特集 2024」のプレページを公開し、約200点を紹介している。
 「9月4日から19日までに購入した方に、期間限定で利用できる最大7000円オフクーポンを配布するキャンペーンを初めて開催する」(ECコンサルティング部 シニアマネージャー 西本佑介氏)としている。

「特化型」おせちのフルーツ重

「特化型」おせちのフルーツ重

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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