千趣会 23年1―6月期/通販売上は5.2%減/システム障害後の顧客戻りに遅れ(2023年8月24日号)

  • 定期購読する
  • 業界データ購入
  • デジタル版で読む

 千趣会の23年1―6月期(第2四半期)における通信販売事業の売上高は、前年同期比5.2%減の238億3000万円だった。システムリプレイスに関するトラブルの解消後も顧客が戻り切らなかった。原価率改善の取り組みと、カタログを中心とした事業からの脱却の推進により、費用構造は改善傾向にあるという。
 連結業績における売上高は、同6.2%減の265億3500万円だった。営業損益は31億5700万円の営業損失(前年同期は39億800万円の営業損失)、経常損益は32億6800万円の経常損失(同37億4900万円の経常損失)、純損益は32億6400万円の純損失(同36億5600万円の純損失)だった。
 通信販売事業の減収について、「ライトユーザーの当期における再購入が想定を下回ったことや、外出機会の増加、節約志向による消費行動の変化の影響を受け、売上高は減少した」(梶原健司社長)と説明する。
 22年1月にリプレイスを実行した基幹システムに関連するトラブルの発生の影響も払しょくし切れていない。トラブル解消後、購入頻度の高い顧客は戻ってきたものの、一般的な購入頻度の顧客は十分に戻ってきていないという。
 通信販売事業の営業損益は、33億1500万円の営業損失(同40億4200万円の営業損失)となった。
 「中核事業である通信販売事業の『ベルメゾン』においてカタログ通販中心のビジネスモデルから、デジタル中心にカタログを融合したビジネスモデルに変革を進めている。原価率改善の取り組みと、高コストなカタログ最適化した事業運営からの脱却を進めていることにより費用構造は改善してきている」(同)と説明する。
 23年12月期の連結業績予想では、売上高は前期比6.6%減の550億円を計画している。営業損益は38億円の営業損失、経常損益は37億円の経常損失、当期純損益は42億円の純損失を計画している。
 販促費の効率化やバーゲン販売の縮小により、前期よりも損失幅を圧縮させたい考えだ。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

Page Topへ