【住設訪販のアフターコロナ動向】 対面営業の再開で競争過熱/業績好調も人材確保は厳しく(2023年8月24日号)

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 リフォームや外壁塗装、太陽光発電などを販売する住設訪販企業は、アフターコロナで動きが活発化している。自粛していた対面営業が再開、営業活動が熱を帯びる。各社の直近の業績はおおむね好調のようだ。ここ数年はコロナの感染対策を意識した組織作りや営業手法が求められたが、現在はコロナ禍前の状態に戻る。営業には追い風が吹く一方で、人材の確保においては厳しい影響が出ている。特に新卒採用において、大手企業が採用活動を強化しているため、住設訪販企業にとってはこれまでよりも人の確保が難しくなってきたという声もあがる。

 コロナの収束で対面営業が再開した。営業を自粛してきた各社にとって、アフターコロナは好機となっている。
 同時に競争も過熱している。特に、太陽光発電や蓄電池の販売においては、参入企業が増えており、他社との相見積もりになるケースも増加しているという。今後、さらに価格競争が進んでいく中で、価格に負けないサービスの差別化が求められる。


■太陽光市場が活性化

 住宅に対する政府の補助金や、各自治体が進めている脱炭素社会への取り組みなどは、住設訪販市場の活性化につながっている。物価高やエネルギー価格の上昇など、マイナスもあるが、電気料金の高騰は、太陽光発電や蓄電池市場のすそ野を広げる要因となった。
 消費者の電気料金に対する意識は高まり、販売店各社のアポイント取得や契約の成約が以前よりも上がっている。
 東京都を中心に自治体による省エネに対する補助金も増えてきた。ただ、補助金は、住設訪販企業以外でも多く利用され、公募開始後すぐに予算が底をつく状態だ。


■東京に拠点増の動き

 アフターコロナの状況を、各社はどう捉えているのか。
 太陽光発電や蓄電池を販売する新日本エネックス(本社福岡県、西口昌弘社長)では、営業参入する販売店がさらに増えたとみている。また、東京都など主要都市で再エネ関連の補助金が多くなり、東京に新たに拠点を構えて販売を強化する動きもあるという。状況を踏まえ、西口社長は「ポジティブな要素もあるが、ネガティブな要素も多い」と話している。
 太陽光発電や蓄電池、給湯器などを販売するリベラルソリューション(本社東京都、下田穣社長)は、今年の酷暑が営業社員のモチベーションに影響したという。ただ、相見積もりになるケースがこれまで以上に増えており、「会社としての魅力やサービス力を強化し差別化していく必要がある」(下田社長)。
 太陽光発電や蓄電池を販売する日本住宅総合開発(本社愛知県、加藤皇大社長)は、営業活動自体は行いやすくなったと感じている。電気料金を意識する消費者が増えたことで、「営業が行いにくいなど困ることは現状ない」(加藤社長)と話している。


(続きは、「日本流通産業新聞」8月24日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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