【シニア女性の「推し」に関する調査を発表 <ハルメク生きかた上手研究所>】一人当たり年間平均使用額は約10万円(2023年7月20日号)

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 女性誌「ハルメク」をグループで販売するハルメクホールディングスが運営するシンクタンク・ハルメク生きかた上手研究所は7月13日、シニア女性の「推し(好きなアイドルやアニメキャラクターなど)」に関する調査結果を発表した。調査では、「推し」にお金を使っている人は、全体の7割強を占め、一人当たりの年間平均使用額は約10万円にまで上った。
 調査は50~81歳の全国の女性461人に行った。調査実施日は23年6月9~12日。
 調査結果では、現在「推し」がいるシニア女性は昨年の35.2%から12.7ポイント増の47.9%(221人)だった。推しがいない人のうち興味ある人は39.5%だった。
 推しがいない223人のうち、「過去いた」が21.5%(48人)、「今までいなかったが興味はある」が39.5%(88人)だった。
 現在「推し」がいる221人に推しの数を尋ねたところ、平均2.13人/個だった。70歳以上は単数推しが多く、平均は1.81人/個だった。
 推している期間については、「5年以上」が56.1%に対し、「5年未満」が43.9%だった。特に70歳以上が長推し傾向で、「5年以上」推している人は60.4%だった。シニア世代は一度好きになると長い年数応援することが分かる。
 現在「推し」がいる221人中、「推しにお金を使っている」のは72.4%(160人)で、昨年の69.5%より約3ポイント増加した。1年間に使う一人当たり平均額も10万2883円と、昨年の9万352円から1万2531円ほど上昇した。


■推しいるほど幸福に

 費用内訳で昨年より増加したのは、「遠征費(宿泊、交通費など)」や「DVD、CD、配信などの映像・音楽の購入費」だった。
 「推し」は人生の活力であり、「推し」がいる人ほど幸福度も高いことも明らかになった。「推し」がいることの良い点は、「活力、元気をもらえる」「楽しい時間が増える」「生活にハリが出る」が上位3位でいずれも6割を超える。
 続いて、「人生が豊かになる」「感動を得られる、ワクワクドキドキできる」「幸せが増える、幸せな気持ちになれる」も6割以上を占めた。シニア世代にとっては、「推し」は健康面でも元気に生きる活力になっている。


■通販企業が取るべき策は

 日本は年々、高齢化社会が加速しており、通販企業の中には、高齢者を獲得することを画策している企業は多い。
 どのような策が適切なのか。一つの答えが「推し」の商品の販売だろう。需要は間違いなくある。今後はどのように「推し」に関する商品を開発・販売できるかだ。通販企業の「推し」を捉えた施策に要注目だ。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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