千趣会 23年12月期/純損失42億円に修正/会員の戻り率が想定下回る(2023年7月6日号)

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 千趣会は6月23日、23年12月期の業績予想と配当予想の下方修正を発表した。修正後の連結業績予想では、売上高を前回予想比112億円減の550億円、当期純損益を同43億5000万円減の42億円の純損失とした。既存会員の戻り率やファッション分野の売上総利益が想定を下回ったことが要因だという。
 営業損益は同43億円減の38億円の営業損失、経常損益は同41億円減の37億円の経常損失と修正している。前回予想で未定としていた期末配当は、無配とする。
 修正の理由として、既存会員の戻り率(当期における再購入)が想定を下回ったことで、会員数が減少したことを挙げた。下半期の売上高は上半期の会員獲得数の影響を受けるため、通期の売上高は前回予想を下回るとした。
 同社はカタログ中心のプロモーションから、SNSなどのデジタル・プロモーションでの単品訴求を強化し、新規会員獲得を積極的に展開している。「インテリア・雑貨」ではその効果を発揮しているが、「ファッション」では4月以降の売上高が前年同期比15%程度減少しており、想定よりも売上総利益が下回ったという。
 来期の黒字転換を実現するため、中期経営計画で掲げた「通信販売事業のデジタルシフト」「収益構造の変革」「パートナー企業との共創」などの施策を集中的に実施し、ビジネスモデルの転換を進める考えだ。22年11 月に開設した商品買い取りサービスは好評で、今後の収益率改善に向けた重点施策の一つとしている。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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