ハルメクホールディングス 23年3月期/営業利益は49%増/定期購読伸長、販管費を抑制(2023年6月8日号)

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 ハルメクホールディングスの23年3月期連結業績は、営業利益が前期比49.5%増の20億3000万円だった。定期購読誌「ハルメク」の読者数が伸長したほか、それに伴い通販商品の売上高が拡大した。販管費は値上げ局面の中で適切に抑制できたことから、ハルメク事業のセグメント増益につながった。連結売上高は同13.9%増の287億3800万円だった。
 「ハルメク」を中心とした出版事業・通販事業を手掛ける「ハルメク事業」の売上高は、同17.5%増の220億5600万円だった。新規購読者を獲得する特集が増えたことや、「ハルメク」編集長のテレビ出演などを受けて定期購読者数が増加した。
 22年1~6月における日本ABC協会の調査によると、コミック誌を除く雑誌全体の部数で1位(44万部)を獲得。22年12月号においては、定期購読者数が初めて50万人を突破した。
 雑誌で展開している通販事業も、「ものは少なく、暮らしは豊かに♪」という通販コアバリューを定め、売上高を伸ばしている。「ハルメク事業」におけるセグメント利益は、同88.8%増の14億4800万円だった。
 ジャパンホームショッピングサービスから引き継いでいる「全国通販事業」は、販売商品の見直しによるイメージ刷新が寄与し、新聞広告で新規顧客を獲得している。ただ、新規顧客の獲得に向けた広告展開に伴い、セグメント利益は減益だった。「全国通販事業」の売上高は、同3・7%増の70億700万円。セグメント利益は同10.3%減の8700万円となった。
 売上総利益率は56.1%となり、前期比0.5ポイント改善。売上高販管費率は49.1%で同2.2ポイント改善した。売上高営業利益率は同1.7ポイント増加の7.1%だった。当期純利益は同56.8%増となる12億4800万円だった。
 今期連結売上高は、同11.4%増の320億円を予想している。「ハルメク」の読者層増加に伴い、顧客数をベースに売上高を伸ばす計画だ。併せて人件費の増加や用紙印刷代、商品仕入れ価格の高騰ににより、売上原価と販管費の増加も見込んでいる。コスト増を上回る売上高の増加によって、営業利益は同10.8%増の22億5000万円、当期純利益は同12.2%増の14億円を見込んでいる。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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