<ベルーナの中計目標> 売上高は2300億円/営業利益170億円を見込む(2023年6月1日号)

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 ベルーナが前期(23年3月期)からスタートしている3カ年の中期経営計画(中計)は、目標を下方修正し、25年3月期の連結売上高は2300億円、営業利益は170億円に修正した。当初の中計目標は売上高2610億円、営業利益226億円だった。前期の業績が想定を下回ったことから計画を修正した。
 23年3月期の売上高は、前期比3.5%減の2123億7600万円だった。総合通販事業として展開している「アパレル・雑貨事業」の売上高が、同10.1%減の883億1400万円となった。
 円安の進行や原材料価格の高騰によって商品価格の見直しや紙媒体による発行量を抑制。収益性確保を優先したが、レスポンス率が鈍化した。
 化粧品健康食品事業の売上高も、同7.8%減の147億9200万円だった。オージオで展開している化粧品事業は、台湾における新型コロナウイルス感染拡大の影響で苦戦。国内でも新規顧客獲得数が減少した。健康食品事業では、新規顧客獲得を強化した一方、既存顧客の売上高が減少し減収だった。
 看護師向け通販のナース関連事業の売上高も、同12.1%減の140億7600万円だった。前年同時期に特需があったマスクやパルスオキシメーターなど衣料雑貨・消耗品の需要が減少。紙媒体の発行量抑制も減収に影響した。
 食品通販関連のグルメ通販事業は堅調に推移。前期の売上高は同7.3%増の323億600万円を計上した。特に、おせち販売の拡大やネット広告による新規顧客拡大が影響したという。
 ただ、長年増収を継続してきたワイン通販の売上高は、前期比約1億円の減収だった。これついて安野清社長は「仕入れ原価や価格の値上げ、配送料の運賃などが影響した」としている。
 営業利益においては、呉服関連事業や不動産などのプロパティ事業が増益だった。ただ、アパレル・雑貨事業、化粧品健康食品事業、ナース関連事業が減益となり、トータルでは同18.9%減の112億1700万円だった。経常利益は同14.3%減の124億5900万円、当期純利益は同27.3%減の74億1700万円となっている。
 通販事業における稼働顧客数は、前期比8.6%減の654万9000人となっている。中でもアパレル・雑貨事業の稼働顧客数が同11.5%減の370万7000人と減少幅が大きかった。
 今期は原材料価格・資材単価の高騰による商品価格への転嫁で、受注単価の上昇を見込んでいる。
 8月には埼玉・吉見の物流センターを増床。建物で90億円強、マテハン機器で30億円強となる約133億円を投資。出荷能力を増強する。
 今期の売上高は前期比3.1%増の2190億円、営業利益は同24.8%増の140億円、経常利益は同18.0%増の147億円、当期純利益は同26.7%増となる94億円を予想している。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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