スクロールが中計策定/売上目標は950億円/ソリューション事業で成長図る(2023年5月18日号)

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3カ年の中期経営計画を策定

3カ年の中期経営計画を策定

 スクロールは今期(24年3月期)からスタートした、3カ年の中期経営計画(中計)を策定した。物流代行や決済代行といったソリューション事業の強化を図り、中計最終年度となる26年3月期の連結売上高は950億円、営業利益79億円を計画している。23年3月期の決算説明会でスクロールの鶴見知久社長は、「通販・ECという代名詞からソリューションカンパニーに転換していく」と強調した。
 スクロールが策定した中計は、「DMS(ダイレクト・マーケティング・ソリューション 2025」の名称で、ソリューションカンパニーへの転換を図るのが目的。
 ダイレクト・マーケティング・ソリューションとは、スクロールグループが有している、ダイレクト・マーケティングに関する、あらゆる知見やノウハウを駆使して、顧客のニーズに応えると定義している。
 ソリューション事業を成長ドライバーと位置付け、中計での業績拡大を狙う。ソリューション事業とは具体的に、グループ会社であるスクロール360が手掛ける物流代行、キャッチボールが手掛ける決済代行、もしもが担うドロップシッピングやアフィリエイトサービスなどのマーケティングサポート事業となる。
 ソリューション事業の前期(23年3月期)売上高は、前期比15.5%増の213億5900万円。中計では毎期、売上高を50億円ずつ拡大する計画で、今期のソリューション事業による売上高は260億円、来期は310億円、中計最終年度は360億円に拡大する。
 ソリューション事業を成長基盤に位置付けた理由について鶴見社長は、「将来に向けての事業ポートフォリオの最適化を図るためだ。現状は通販事業が高い利益率を誇っているが、市場の将来性を考えたとき、通販事業が永続することは考えにくいことから、ソリューション事業を将来に向けた成長基盤として強化を図っていく」と説明する。
 中計における成長要因はソリューション事業とし、通販事業は利益率を重視して売上高は横ばいの計画となる。ソリューション・ベンダー・ビジネス(SVB)による、新ビジネスの確立と黒字化を両立。既存顧客への新たな価値(モノ・コト・サービス)の提供によって利益を創出する。
 eコマース事業は、価格競争による収益の悪化を踏まえ、オリジナル商品の展開・直貿・MDの再構築によって商品原価率の低減をめざす。直貿生産の拡大によって原価低減を図る。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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