【健康食品市場】 「美容」ニーズ高まる/23年訪販は「上向く」通販は「厳しい」(2023年3月30日号)

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 本紙ではこのほど、22年度の健康食品の売上高調査に伴い、健康食品のトレンドに関する調査を行った。調査の結果、通販・訪販の両方で、「今後製品開発や販売に取り入れたい訴求ポイント」として「美容」と「腸内環境」が最多となった。マスクの着用が個人の判断になるなど、肌を露出して外出する機会が増えており、美容ケアを訴求したいというニーズが高まっているようだ。一方で、物価高の影響などがあり、健康食品の消費が今後減退する可能性があると懸念する声が、複数の企業から聞かれた。

■物価の上昇を懸念

 本紙がこのほど行った、通販・EC、訪販・ネットワークビジネス(NB)の健康食品の販売会社に対して行ったアンケート調査では、「22年の健康食品市場の景況感」「23年の健康食品市場の景況感」のそれぞれについて、「上向いた」「前年と横ばい」「厳しい」「分からない」のいずれかから回答してもらった。「今後、健康食品の製品開発やプロモーションに取り入れたい訴求のポイント」についても回答してもらった。
 通販・EC企業では、年商数十億円から数百億円規模の17社から、健康食品のトレンドについて回答を得た。
 「22年の健康食品通販市場の景況感」については、「上向いた」と回答したのが29.4%にあたる5社。「前年と変わらない」と回答したのが47.0%の8社、「厳しかった」が17.6%の3社だった。
 「健康志向の高まりや在宅率の増加で、テレビなどのオフラインでの獲得が進んだ。上向いたと感じる要因は複数あった」(ビタブリッドジャパン)といった声が聞かれた。
 「23年の健康食品通販市場の景況感」については、「厳しい」と回答する企業が、35.2%の6社となり、最も多かった。
 「昨今の物価高による消費の低迷が見込まれるため」(コラーゲン通販企業)「景気が悪くなれば、最初に消費されなくなるのは健康食品だ。競合が増加し、競争も激化している」(総合通販企業)という声が聞かれた。「ウクライナ情勢に伴う水道、光熱費、食費、日用品の値上げによる健康食品の買い控え」(大手健康食品通販)を予想する声もあった。
 物価の上昇は、通販の健康食品の販売に大きな影響を与えそうだ。

(続きは、「日本流通産業新聞」3月30日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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