cotta 22年10―12月/利益重視の戦略を実行/営業利益34.2%増の2億9000万円(2023年3月9日号)

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黒須綾希子社長

黒須綾希子社長

 製菓材料の通販事業を展開するcotta(コッタ)の22年10―12月期(第1四半期)の営業利益は、過去最高の前年同期比34.2%増の2億9900万円だった。テレビCMの露出や大幅な割引価格での販売を控えて、利益重視で法人向けの事業戦略に注力したことが奏功した。
 売上高は同4.1%減の26億400万円だった。消費者のオフラインでの購買行動が活性化したことにより、個人向け事業の売上高が低迷した。法人向け事業は好調だった。コッタの強みでもある小ロットからの注文受け付けなどが好評で注文数の増加につながった。
 同社は在宅時間の減少により、個人が自宅で菓子を作る機会が減少すると考え、今期から法人向け事業に注力している。
 「消費者が街に戻るということは、それだけ街で買い物をするということ。当然、当社の法人顧客となるパン販売店やカフェにも人が訪れ、そこで商品を購入したり、お店で飲食したりする人が増える」(黒須綾希子社長)と話す。
 法人顧客からの注文数増加の要因について、黒須社長は外的要因のほかに、4点を挙げる。
 「まず小ロットから注文を受け付けていることが大きい。食材に加えて資材や道具も販売している点も好評だ。サンプルを提供したり、レシピをサイト内で紹介したりしていることも奏功している」(同)と説明する。
 利益を高めるために、テレビCMの放映回数を減らしたり、値引き販売を控えたりしている。個人向け事業における送料無料ラインの引き上げも行った。
 「個人向け事業はいったんスピードを緩める。引き続き法人顧客に対応しながら、広告宣伝費、物流費、人件費などを調整して、利益重視を突き詰めていく計画だ」(同)と話す。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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