<中堅NB企業> コロナ後を見据え動き活発化/対面の活動を再び強めて攻めへ(2023年2月23日号)

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3月1日に刷新するサプリメント「スキンエリクサー」

3月1日に刷新するサプリメント「スキンエリクサー」

 今年5月に、新型コロナウイルスの感染症法上の分類が5類に移ることを受け、中堅ネットワークビジネス(NB)企業の動きが活発になりそうだ。開催を制限されてきたコンベンションや海外インセンティブ・ツアー、対面によるビジネストレーニング、会員が運営するサロンでの製品体験を通じたリクルートなどが再開される気配だ。コロナ禍で身に付けたオンラインスキルに、対面でのリクルートを組み合わせることで、より多様な働き方が提供できると同時に、関心が高まる副業の選択肢として大きなチャンスになる可能性もある。コロナ後を見据えた各社の攻めの戦略をまとめた。

【ニナファームジャポン】トレーニング強化施策/スピーカー育成も開始

 ニナファームジャポン(本社東京都)は27年3月期に売上高200億円を達成する目標に向けた施策として、グループの垣根を越えてメンバー同士が協力し合う、ワンチームの考えを取り入れた「ワンチームプロジェクト」を展開している。その一環として、23年2月から、コンプライアンスを担保した「スピーカートレーニング」を始めた。2月14・15日に東京で第1回目を開催し、約50人が参加した。
 プロジェクトの中では、組織ができ始めた会員のさらなる育成を目的とした「ラピス・サファイヤトレーニング」を定期的に開催。NBや製品に対する正しい理解と知識を習得し、コンプライアンスを徹底することを目的にしている。
 22年1月からは会社と会員が新規会員向けに行う「共催新規説明会」も開始。本社の幹部が参加して、ニナファームジャポンの方向性と理念を伝えるもので、月2回のペースで開催している。
 ニナファームジャポンでは、新規会員登録の大半がNB未経験者で占めている。そのため、トレーニングや研修を通じて主体的に取り組める会員の育成に重点を置いている。「共催新規説明会」では、仏・ニナファーム社が研究・開発を手掛ける高品質の製品、会員の魅力をきちんと相手に伝えることの重要性を説いているという。説明会を通じて、法律に則った適正なビジネスであることへの理解も深まりつつあり、開始から1年の成果について「コンプライアンスが担保された会社の公式のトークが会員に浸透してきている」(NB事業本部)。
 セミナーの数は、新規会員の数でもあるという考えのもと、リーダーだけにセミナーの開催を頼らずに、会員がもっとセミナーを開催できるよう、2月からは同プロジェクトの三つ目の施策として「スピーカートレーニング」を開始した。月1回の開催ペースを予定しており、参加者は毎回50~100人、初年度600人の受講者を見込む。参加者のタイトルの条件などは求めていない。
 会社について基本的な知識を改めて学びつつ、スピーカーとしての心得えやコンプライアンスを担保したトークをカリキュラムに盛り込む。トレーニングを受けた会員がセミナーを開催した場合は、本社に報告を求める。その後、フォローアップ研修を実施することでスキルアップにつなげていく考えだ。


【ペレ・グレイス】人間力を磨く営業方針/スキル向上の研修強化

 ペレ・グレイス(本社東京都)は、創業20周年を迎える26年度(27年3月期)に、年商50億円の達成に向けて本格的に動き出した。1月からは、人間力を軸に据えた会員向けのリーダー育成研修を強化したほか、3月には製品の刷新をする。
 21年秋に始めた会員が運営する認定サロン「オハナサロン」の出店が加速し、現在までに16店舗に拡大した。コロナ禍でも地域未着の接点づくりに着実に成果が出始め、新規登録会員数がコロナ禍前の水準を越えてきているという。
 23年度(24年3月期)の営業方針として、「ブランド力」「商品力」「人間力」の三つの柱を掲げた。「人間力」を高める取り組みとして、リーダーを育成する新たなプロジェクト「プレジデントグレイス達成プロジェクト」を発足した。
 具体的には1月に「短期集中レッスン」を新設し、4組という小人数精鋭、3カ月間限定で、毎週決まった日時にオンライン研修を行う。すでに1期生として始めている。3カ月経過後は、週1回ペースで継続的に研修を実施することで、次のステップで4月予定で始める「ダイヤグランド会議」の候補生として育成を目指す。
 月1回開催する本社からの情報共有を目的とした「トップリーダー会議」と「ボードメンバー会議」に加え、新たにトップリーダー育成を目指した「ダイヤグランド会議」を4月に始める。さらには、これまでオンラインで開催していたトレーニング「ペレズスタンダード」を3月からリアルで開催することで組織の底上げを図る。
 コロナ後を見据え、サプリメント「スキンエリクサー」=写真=を3月1日に刷新する。環境に配慮し、植物由来インクで印刷をしたり、FSC認証を取得した「エコパッケージ」に一新した。また、新成分として「リンゴ果汁粉末」を「津軽リンゴ果汁」に変更して砂糖を不使用にした。新成分として、タマネギ外皮エキスや大豆タンパク、バラ花びらエキス、赤ワインを加えた。今後は、「大豆発酵エキス」の抗糖化について、認知機能などエビデンスの取得を進めており、より機能性を高めた。「よりオリジナリティを高めることでモノづくりにこだわっていきたい」(統括本部長)と強調する。

(続きは、「日本流通産業新聞」2月23日号で)

名古屋市に初の直営サロン「美・Styleサロン」の外観

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サロン内部の様子

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記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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