千趣会 22年12月期/当期損失109億円/システムリプレイスのトラブルで(2023年2月16日号)

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 千趣会が2月13日に発表した22年12月期連結決算は、当期損失が109億5200万円となった。基幹システムのリプレイスによる受注減少や、前年はブライダル事業の売上高(17億3300百万円)を含んでいたため、連結売上高は大幅に減少した。売上高の減少に加え、在庫削減に向けたバーゲン販売の増加やシステムトラブル対応費用の増加等で減益となった。なお、当期から収益基準に関する会計基準を適用しており、前期比は公表していない。
 連結売上高は589億2700万円だった。延期の決算と単純比較すると20.8%の減収となる。売上高の内訳は、通信販売事業が526億4500万円、他社の通販事業を支援する法人事業が42億9200万円、保険事業が5億1200万円、子育て支援などのその他事業が14億7700万円だった。
 通信販売事業の営業損失は83億7300万円(前期は8億9400万円の黒字)だった。22年1月に全面的にリプレイスを実行した基幹システムに関連するトラブルが発生し、顧客対応を優先するために販売促進策の実施を見合わせ通常の営業活動を縮小した。
 システムが平常通りに稼働した後、業績回復に向け販売促進策を再開して営業活動を拡大するとともに、新たなリカバリー施策を実施。
 しかし、前期水準までの会員規模の回復には至らず、さらに物価上昇による節約志向の高まりや残暑が長引いたことによる季節商材の需要減少が重なり、通信販売事業の売上高が前期を大きく下回り減収減益だった。
 当期の購入会員数は前期比47.9%減の200万4000人。新規購入会員数は同7・6%減の52万人。継続購入会員数は同28.6%減の99万人3000人だった。
 売上高の減少に伴い、連結営業損失は81億700万円、連結経常損失は78億5300万円となった。
 今期(23年12月期)は売上高662億円、営業利益5億円、経常利益4億円、当期純利益1億500万円を予想している。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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