河野消費者大臣 「紙にこだわる議論はさせない」/定例会見で書面の電子化について言及

  • 定期購読する
  • 業界データ購入
  • デジタル版で読む

 河野太郎消費者担当大臣は9月13日、定例記者会見で、書面の電子化について言及した。河野大臣は、「紙(書面)にこだわるような議論はさせない。デジタル化するなら完全にデジタル化をさせる」と発言した。
 河野大臣は13日の会見で、消費者庁で現在開催されている、特定商取引法の書面の電子化に関する検討会について、記者からコメントを求められて発言した。
 記者からは、「書面の電子化に関する検討会では、書面のデジタル化の議論において、契約書面の内容が一覧性を有する画面で表示することを求められている。そのため、スマホでは契約ができないといった議論の内容となっている。消費者担当大臣と、デジタル改革担当大臣として、どのようにみているか」といった質問がされた。
 これを受けて河野大臣は、「『紙(書面)でなければダメだ』といった、紙にこだわるような議論は一切させない。デジタル化するのであれば、完全にデジタル化させる」と発言した。
 「ただし、高齢で、デジタルに慣れていない消費者が不利益を被るようなことはあってはならない。その観点から、いかに消費者を守るかは、きちんと対応しなければいけない」とも話した。
 書面の電子化検討会については、「訪販や連鎖販売取引などの類型については、電子書面の交付を承諾する控え書面を交付することを求める」「消費者が書面並みの一覧性を有する形で交付書面と同様の内容について表示可能な機器を有する」といった内容を含む方向性で、取りまとめに向けた議論が進んでいる。
 河野大臣は、「まだ検討会では取りまとめがされていない。引き続き、しっかりと議論をしてもらう」と話した。
 消費者庁の取引対策課は、今回の大臣の発言を受けて、「これまでの書面の電子化に向けた検討会の議論が大きく転換されることを意味する発言ではないと捉えている」としている。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

Page Topへ