〈進化するECのビジュアル活用〉 量・質とも飛躍的に拡大/ユニクロは動画注力、ワークマンはUGC強化 (2022年2月24日号)

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ユニクロは商品ページのファーストビューをで動画を自動再生

ユニクロは商品ページのファーストビューをで動画を自動再生

 ECサイトのビジュアル活用が進化している。画像コンテンツのクオリティーや幅が問われるだけでなく、動画の本格的な配信が当たり前になりつつある。背景にはコロナ禍でSNSの利用拡大、動画コンテンツの視聴時間の増加に加え、5Gなどのインフラ整備がある。販売スタッフのコンテンツ投稿ツールや動画配信ツールの進化もビジュアル活用の促進に拍車を掛けている。ユニクロやワークマンなど有力企業の事例を分析し、ECサイトのビジュアル活用の最前線を追う。

 ECサイトにおけるビジュアル活用はいつの間にここまで進んだのだろうか。特にビジュアル活用が進むファッション系のECサイトでは、多くの商品画像をたくさん確認できるようになっただけでなく、商品紹介動画を配信するケースも増えている。
 ユニクロは多くの商品詳細ページで、商品紹介動画が自動再生されるようになっている。動画による商品紹介は、必ずしも大手企業に限ったことではないようだ。
 ビジュアルマーケティングプラットフォーム「visumo(ビジュモ)」を展開するvisumoの井上純取締役は、「ここ1年で『visumo』を活用して動画配信を開始する事業者が50社以上増えた。次第に商品訴求する上で動画活用が当たり前になりつつある」と語る。
 さらに多くのECサイトにおいて、販売スタッフのコーディネート画像を掲載するようになった。商品単体の画像やモデルの着用画像だけでなく、いろいろな人の着用イメージを確認してから、商品購入を判断するのが当たり前になってきた。今後、販売スタッフの投稿コンテンツも動画になっていく可能性が高い。


■UGC活用の幅広がる

 ビジュアルを活用した代表的なマーケティング手法の一つが「UGC(ユーザージェネレイテッドコンテンツ)マーケティング」だ。「UGCマーケティング」とは、一般ユーザーが作成したコンテンツを活用し、認知拡大を狙うだけでなく、商品の魅力を訴求したり、購入を促進する販促手法のことを指す。
 インスタグラム(インスタ)などのSNSに投稿された商品の画像を、ユーザーの許諾を得た上でECサイトや自社メディアに掲載することで、自然な形で商品の利用方法や楽しみ方を伝えることができる。
 インスタが国内でも普及するに従い、ユーザーが発信するコンテンツの質が高まっている。物や人だけでなく、ライフスタイルを発信するメディアとなっていったインスタの投稿は、商品のイメージを訴求するのに最適だ。
 インスタの画像などを活用した「UGC」であれば、生活感のある背景の中で、商品が用いられているシーンを集めて伝えることができる。「UGC」をECサイトに掲載することで、商品のリアルなイメージを伝えやすくなり、購入を後押しする効果があるというわけだ。
 このような利点を生かし、「UGCマーケティング」を実践するブランドが増え、さらにユーザーのSNS活用が加速するに従い、UGCマーケティングが進化を遂げている。「ユーザーのリアルな利用シーン」だけでなく、「新たな商品の利用価値」までも「UGC」で伝えられるようになっているのだ。
 「ユーザーの写真を撮るスキルや撮影デバイスの進化によって、多様なシーンで撮影した”映える”商品画像の投稿が増えている。ワークマンさんの『UGC』が顕著な例だと思う。同じアウターでも海釣りをしているシーンの画像だったり、キャンプをしているシーンの画像だったりをECサイトに掲載していることで、この商品が釣りでもキャンプでも活躍するアウターであるということを伝えることができる」(visumo 井上取締役)と話す。
 ワークマンは動画を投稿するユーチューバーとの協力体制も築いている。

(続きは、「日本流通産業新聞」2月24日号で)

「BEAMS」はECサイトで販売スタッフのコーディネート画像を掲載している

「BEAMS」はECサイトで販売スタッフのコーディネート画像を掲載している

「LABRICO」はインテリアの実践的なイメージを「UGC」で伝えている

「LABRICO」はインテリアの実践的なイメージを「UGC」で伝えている

「ワークマン公式ECオンラインストア」ではユーザーが多様なシーンで撮影した画像を掲載している

「ワークマン公式ECオンラインストア」ではユーザーが多様なシーンで撮影した画像を掲載している

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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