【ビルディ 渡邉大樹代表取締役社長】 <プロ向け電動工具のECサイトを運営> 売上100億円を目標に、地場の活性化へ(2023年6月1日号)

  • 定期購読する
  • 業界データ購入
  • デジタル版で読む

 建設・建築現場などで使用するプロ向け電動工具のECサイト「工具通販ビルディ」を運営するビルディ(本社鹿児島県、渡邉大樹社長)が著しい成長をみせている。コロナ禍を機に成長が加速。直近3年間で売上高は2倍に、23年5月期は約33億円を見込んでいる。24年以降は、毎年20%のペースで成長していき、7年後には売上高100億円を目指す。顧客である職人とともに成長するECサイトの運営を続ける。電動工具という専門性の高い商材一つで成長している要因、地元鹿児島を盛り上げたいという思いについて話を聞いた。

■24年は39億円に

 ─これまでの成長について。
 当社が通販事業を開始したのは2005年で、紆余曲折がありながら18年運営を続けています。
 20年に発生した新型コロナウイルスの感染拡大は一つの契機だったと思っています。20年以降の売り上げを振り返ると、20年5月期は15億円、21年は22億円、22年は28億円でした。23年5月期は約33億円となる見込みで、24年は39億円を計画しています。
 通販サイトの運営は、前述したとおり18年が経過しています。実は開設当初、プラットフォームとして展開していました。立ち上げから1年ほどでうまく回り始めつつあったものの、出店者へのフォローやモールの裏側の整備などの手間が大きな負担となってきました。ほぼ私一人で対応していたので、出店誘致や集客などに手が回らなくなりました。08年にモール展開から手を引き、自社ECとしてリニューアルし、現在に至ります。当時、当社のモールに出店していただいた企業には申し訳ない気持ちです。


■職人さんに寄り添うサイト

 ─自社ECのみで展開する理由は。
 背景はさまざまありますが、大きな理由は購入体験が大切になると思っていたからです。検索から始まり、サイトの見やすさや使いやすさ、そして品揃え、購入後のフォローなど、この一連の流れ全てに体験を与える必要がありました。
 当社は、専門性の高い、プロ向けの電動工具という商材だけで勝負しています。つまり、当社のお客さまは、工務店や設備業者など建築関連に携わる職人さんです。購入だけを見れば、モール出店が効率的でしょう。しかし、いずれ価格競争や広告投資に巻き込まれ、企業として疲弊してしまう可能性が高いと判断しました。
 また、職人さんたちは、人と人の関係を非常に大切にしています。こうしたことから、購入だけを観点にせず、最初から最後まで、当社が職人さんという顧客と一緒に成長していけるサイト作りがそもそも必要のため、自社EC一本で勝負しています。


■オウンドメディアで集客

 ─集客方法はどのように。

(続きは、「日本ネット経済新聞」6月1日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

Page Topへ