【カリモク家具 営業推進部 花井博司部長、EC事業チーム 澤井敏幸氏、EC事業チーム 鈴木里紗氏】 〈コロナ禍にEC開設〉便利な買い物体験提供、今期EC売上70%増へ(2023年2月2日号)

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 木製家具メーカーのカリモク家具(本社愛知県、加藤正俊社長)は20年7月、ECサイト「カリモク家具オンラインショップ」を開設した。同社初の直販サービスは、社命を受けたメンバーがわずか2カ月で立ち上げたものだった。開設当初は1日の売り上げがゼロの日もあったという。ショールームで提供する接客サービスをECサイト上でも再現するべく、担当者が社内へ掛け合い、少しずつ品ぞろえとサービスを拡充。売り上げは右肩上がりで伸びており、今期(23年3月期)は前期比70%増の成長を狙う。営業推進部の花井博司部長、EC事業チームの澤井敏幸氏、鈴木里紗氏にECサイト立ち上げの苦労やコンテンツ強化の戦略、デジタル活用で目指すビジョンについて聞いた。

 ─20年7月にECサイトを開設したきっかけは。
 花井 コロナ禍になり、これからのマーケットを考えたときにデジタルを通じた顧客接点が重要だと考え、オンラインで直販するチャネルとしてECサイトを開設した。ショールームなどで「カリモク家具から直接買いたい」という声は寄せられており、そのニーズも背景にはあった。
 当初、会社からは「来月からEC販売を開始しよう」と言われたが、さすがにそれは難しいと考え「4カ月はください」と言った。ただ、それは認められず、2カ月間で立ち上げた。
 ─開設してすぐに売り上げは伸びたか。
 花井 小売りを行ったことのないメンバーが、右も左も分からない中で、お客さまに満足してもらえるECサイトを作らないといけなかったので、大変な面も多かった。最初は棚に商品を並べただけのECサイトだった。
 販売する商品も80品番のみと限られており、それ以外は「お取扱いしない」というスタンスだった。お問い合わせをいただいても、「販売できません」とお断りさせていただくケースもあった。
 ─売り上げを伸ばすためにどのように改善したか。
 澤井 お客さまからECに掲載のない商品購入のご希望をいただいていたので、まずは販売できる品番数を増やせるように社内調整を進めた。徐々に社内の理解を得ることができ、販売できる品番数が増えていった。現在は掲載品で約500品番、お客さまごとに個別に対応した商品も含めると、1000品番以上はあると思う。
 ECサイトのコンテンツも強化した。「便利なお買い物体験」をコンセプトにサイトを運営しており、お客さまが探している商品を見つけやすく、スムーズに購入できるかを考えて、サイト改修を進めていった。
 商品を「家に置いたらどうなるのだろう」「カラーコーディネートはどうしたらいいのだろう」というお客さまの要望にお応えするため、21年5月にビジュアルマーケティングプラットフォーム「visumo(ビジュモ)」を導入した。


■UGCで明確な効果

 ─「visumo」をどのように活用してるのか。

(続きは、「日本ネット経済新聞」2月2日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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