【インタビュー】 〈「交換できるスマホ」の展開が鍵〉ニューズドテック 粟津浜一代表取締役CEO/交換スマホで「1.5市場」を開拓(2022年6月2日・9日合併号)

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 ニューズドテック(旧社名・携帯市場、本社東京都)は、スマートフォンやタブレットなどの1次市場(新品)と2次市場(中古品)の間にある「1・5市場」の開拓に乗り出す。新品と中古品のそれぞれの市場における課題や景況感を捉えながら開拓できる新しいマーケットと考えている。なかでも、「交換できるスマホ」の展開が鍵を握るとみて、スマホを故障前に交換できるサービス「ニューズドフォン」の展開を22年4月に開始した。スマホ市場を取り巻く環境が転換期を迎えているとみる粟津浜一社長に、市場感や取り組みについて聞いた。

 ─社名変更の背景を教えてください。
 ニューズドテックは、新品のNEW(ニュー)と中古のUSED(ユーズド)を合わせ、その中にテック(技術)を盛り込んだ社名です。新品と中古の間にある「1.5市場」を狙っていく意味も含まれています。
 今のスマホ市場は大きな変化を迎えています。
 1次と2次のそれぞれの市場が乱立しているだけでなく、垣根がなくなろうとしています。キャリア側が中古品の販売を認定し、店舗数を減らすといった動きもあります。
 スマホの中古市場が広がるだけでなく、ECの拡大も垣根がなくなる要因の一つでしょう。さらには、政府も中古スマホの流通に関連した施策を進めているところで、今後も中古スマホの市場は広がっていくと予想されます。しかし、前述したとおり、1次側も中古品を認定して販売するため、市場拡大とともに、競争は激化していくと予想できます。
 こうした動向から、当社も単なる販売会社から脱却していく必要がありました。社名にテックを入れたのは、今後の方向性でもあり、技術とデータを活用する会社にシフトしていくつもりです。
 幸いなことに当社は、スマホやタブレットのリユース販売に、アドバンテージがあります。販売力、仕入れ、品質、市場動向など、それぞれを緻密にデータ化したり、マーケティングを行ってきたりしてきました。これらを踏まえた上で、社名変更と同時に、新サービス「ニューズドフォン」を発表しました。
 ─「ニューズドフォン」の特徴は。
 スマホの故障診断アプリ「スマホカルテ」を搭載し、故障前にスマホを交換できる特徴を持っています。スマホカルテは、当社が独自開発したソリューションで、スマホ内部の故障やバッテリー診断などを予想できるような設計にしています。
 アプリ利用料は、機能が制限された無料診断コースと制限がない各種診断コースの月額税込500円からとしています。23年度中までに、10万件の契約数を目標としています。

(続きは、「日本ネット経済新聞」6月2日・9日合併号で)

【プロフィール】
粟津浜一(あわづ・はまかず)
 1979年生まれ、岐阜県出身。筑波大学大学院理工学研究科修士課程修了後、ブラザー工業入社。09年に前身となるアワーズを創業、17年に携帯市場に社名変更。22年3月末にニューズドテックに社名変更した。


記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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