【富澤商店 渡辺篤裕執行役員】 〈菓子用食材・菓子用資材などをEC展開〉UGC・OMO・B2Bで今期も2桁成長へ(2022年5月19日号)

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 小麦粉などの菓子用食材や菓子用資材などをECで販売する富澤商店(本社東京都、富澤淳社長)はこのほど、22年8月期のEC売上高が35億円となる見込みであることを明らかにした。20年8月期は、コロナ禍における「手作り需要」の拡大が影響し、新規顧客が大幅に増加した。21年は需要が一服し踊り場となったが、再び増収に転じる見込みだとしている。現在は、UGC(ユーザー生成コンテンツ)、OMO、B2Bなど、複数のテーマで実験的な施策を展開しており、ECの成長基盤を構築できつつあるという。富澤商店の渡辺篤裕執行役員に、コロナ禍における、同社の展開と、現在展開しているECの施策について、詳しく聞いた。

■今期売上高予想は35億円に

 ─コロナ禍の富澤商店のECの需要について教えてください。
 当社は、「TOMIZ(トミーズ)」ブランドで、菓子用食材・資材のECを展開していますが、20年8月期は、コロナ禍の巣ごもり需要で売り上げが急伸しました。20年8月期の売上高は、前期比24.3%増の34億5000万円でした。外出自粛で、自宅でのさまざまな過ごし方がある中で、お菓子作りやパン作りの需要が伸びたのです。
 21年8月期は、需要が落ち着きました。20年に初めて購入してくれたお客さまのうち、2回目購入に至らなかったお客さまが多かったことが、大きな要因だと考えています。ただ、22年8月期は再び増収に転じる見込みです。
 今期増収見込みとなっている要因としては、バレンタイン需要の取り込みに成功したことがあります。22年のバレンタイン需要については、「ECでの需要は伸びない」という事前予測もありました。21年後半にコロナの感染が落ち着きを見せていたことから、「外出して消費する人が増える」と予想する人が多かったのです。実際は、オミクロン株の感染の再拡大の影響で、まんえん防止措置が取られたことなどから、巣ごもり需要が再拡大しました。コロナになってから、”富澤商店”の名前を知ってくださった方が多かったことも、需要を取り込めた要因の一つだと考えています。
 バレンタイン需要の取り込みによって、21年9月―22年2月期(中間期)の売上高は、前年同期比10%増となりました。
 ウクライナ情勢に伴い、小麦粉の値段が高騰していることも、増収に影響しています。小麦粉市場では、「4月から小麦粉が値上がりするかもしれない」という見方が強まっていました。その影響で、3月に小麦粉の注文が急増し、配送がパンクするほどの事態にもなりました。
 
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