【特集 注目の業務効率化・コスト削減サービス】 【インタビュー】〈業務代行サービス「ギア」をリリース〉エンパワーショップ 西澤優一郎社長/5年後に最適な運営体制を提案

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西澤優一郎社長

西澤優一郎社長

EC事業のコンサルティングを行うエンパワーショップ(本社東京都)は5月11日、ECサイトの業務代行サービス「GEAR(ギア)」の提供を開始した。同サービスでは、EC事業者の現状をヒアリングした上で、最適な業務のアウトソーシング方法や、効果的なシステムの活用法を提案している。EC事業者の5年後を見据え、最適な業務設計まで行う点が特徴だ。新サービスの狙いや具体的な支援内容について、同社の西澤優一郎社長に聞いた。

 ─「ギア」とはどんなサービスなのか。
 ECサイト運営のコンサルティングとアウトソーシングを組み合わせたサービスだ。EC事業者の状況に応じて最適な運営方法を提案する。最新のシステムを導入し、運営を自動化できるように支援したり、人手が必要な業務は、外部のワーカーを活用して代行したりする。EC事業者に必要なパーツをうまく歯車(ギア)のように組み会わせて効率化を支援する。
 ─なぜ「ギア」をリリースしたのか。
 2年半前から「ECワーカーズ」というEC事業者向けのクラウドソーシングサービスを提供する中で、多くのEC事業者と話しをする機会があった。EC市場に向けて、さまざまなサービスがリリースされているが、EC事業者はそれらのサービスをほとんど活用できていないどころか、存在すら知らないことが分かった。この事業者なら、このサービスを使えばもっと運営を効率化できるのにと思うことも多かった。当社は「Eコマースコンバージョンラボ」というEC業界のメディアも運営しており、EC市場に提供されているさまざまなサービスを熟知している。それらの知見を生かして、EC事業者の運営効率化に最適なサービスが提供できると考えた。
 ─具体的にどのような支援を行うのか。
 「ささげ」といわれる商品の撮影・採寸、原稿(データ)作成の依頼が多い。倉庫のアウトソーシングに関する相談も少なくない。これらの業務を単純にアウトソーシングしたいという依頼に対しても、当社ではツールの活用を含めた業務改善の提案を行うケースがある。例えば、依頼をいただいた、ある大手ホームセンターでは従来、商品データ作成をアナログで行っており、非常に手間がかかっていた。そこで、データの変換ツールを活用して、モールや自社サイトなどの各仕様に合わせて、簡単に登録できるようにすることを提案した。また、このクライアントが、「サイトのデザインが変わったから」という理由で、サイト上の写真を全部撮り直そうとしていることが分かった。この時は、画像編集ツールの導入を薦め、一括して画像のサイズ変更を実施した。
 ─他のアウトソーシング会社との違いは。
 当社では、むやみにアウトソースを続けることを提案したりはしない。業務を改善した当初は、当社が運営を代行するが、最終的にはクライアントの社内で業務を遂行できるようにすることもある。さらに、将来を見据えた業務体制の改善を提案できる点も強みだ。今はこのシステムで良くても、数年後には時代遅れになってしまうというケースがある。フラットな立場から、3年後、5年後に生きてくるかどうかを見極め、サービスやツールを提案したり、業務のフローを設計したりすることを心がけている。当社では、ECの運営はもっと自動化されるべきだと考えている。さまざまなサービスが登場し、環境は整いつつある。もっと多くの事業者の運営体制を改善していきたい。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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