【弁才天 大野淳平社長】 〈フルーツ大福を製造販売〉EC開始半年で月商2000万円

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 フルーツ大福の製造販売を手掛ける弁才天(本社愛知県、大野淳平社長)は20年12月に、ECサイトを開設し、半年でネット通販の月商が2000万円に達している。のれん分け制度によるリアル店舗数の増加とともに、商品やサービスの認知が拡大したことがECの売り上げを押し上げた。法人向け販売を強化したことも成長に寄与している。フルーツ大福の製造やEC事業参入の経緯、業績などについて大野社長に聞いた。

■伝統文化を商材に

 ─フルーツ大福を選んだ理由は。
 トレンドではなく文化を形成したいと思い、日本の伝統文化である和菓子のフルーツ大福を商材に選びました。19年10月に創業し、現在全国に54店舗を構えています。
 フルーツ大福の製造販売を始める前は、広告関係の仕事をしていました。「一過性のトレンドとして消費される」といった考えはなく、フルーツ大福を現代に合わせて新たな文化として根付かせたいと思っています。
 10年前に友人から大福をもらって感銘を受けたきっかけも大きいです。もともと、和菓子は甘ったるくて好きではありませんでした。ただ、友人がくれたいちご大福は、いちごが大きく素材の味を感じました。これを食べた経験も今につながっています。
 儲け第一主義ではなく、弁才天や私の思いに共感してくれる人が対象ということを踏まえて、フランチャイズではなく、あえてのれん分け制度を採用しています。
 ─商品開発などで苦労したことは。
 理想の餅がなかなかできずに何百回も試作を繰り返してきました。当社ではいちごやマスカット、みかんなどさまざまなフルーツを取り扱っています。スイカのように水分が多い素材の場合、ぎゅうひやあんこの量を調整して対応しています。
 ─20年12月にEC事業に参入しました。
 ネット通販を開始して半年以上が経過しました。今では、ECの月商が2000万円を達成しています。名古屋を中心にリピート率は50%を超えているとみています。
 ECの増収要因として、リアル店舗との相乗効果が挙げられます。当社のネット広告投資額はゼロ円なのも特徴です。

(続きは、「日本ネット経済新聞」8月26日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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