【アドビ デジタルメディアカスタマーエクスペリエンス 太田哲也シニアマネージャー】 サブスク導入が売上の追い風に

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 アドビは12年からサブスクモデル(サブスク)の販売を開始、サブスク導入前よりもグローバルの売り上げが大幅に伸びている。19年のグローバルの売り上げは、12年と比較すると約2.5倍に増加した。サービスの販売チャネルは主にECだ。チャットによるサポートの効率向上で、ECの売り上げ伸長につながっている。デジタルメディアカスタマーエクスペリエンスの太田哲也シニアマネージャーに、これまでの伸長とコンタクトセンターの取り組みについて聞いた。

■グローバル売上は2.5倍に

 ─サブスクの導入後、売り上げやサービスの有償契約の件数はどれほど伸長したのか。
 サブスク移行後の売り上げは約111億7000万米ドル(19年度のグローバル売上高)に成長した。サブスクを導入した年の12年度は同約44億米ドルだったので、約2.5倍に成長している。
 「アドビクリエイティブクラウド」や「アドビドキュメントクラウド」で手掛ける、アプリやサービスなどのソフトウエアを主にECで展開している。
 有償契約の件数は、サブスク導入から3年後、617万件に成長した。サブスク導入年の12年は32万6000件だった。
 サブスクモデルを導入するまでは、各種サービスをパッケージ販売していた。サブスクは、パッケージの購入に比べて安価に利用を始められる。初めてアドビを利用する人が急増したと感じる。顧客の裾野も広がった。
 サブスクに加え、同じく12年に導入したチャットによる顧客対応の効率化が一因となり、ソフトウエアのEC売り上げが伸長し続けている。
 ─サブスク導入後、顧客が急増した。チャットによる顧客対応により、フォローに力を入れているのか。
 サブスク導入による顧客の増加に伴い、顧客からの問い合わせも増加した。チャットを導入し、顧客対応の強化を図っている。
 サブスクモデルでサービスを利用する顧客に継続して利用いただくため、これまで以上にカスタマージャーニー(顧客が購入に至るプロセス)を重視し、サポート体制の充実に力を注いできた。
 サブスクは顧客にとってサービス利用の敷居を低くした一方、少しでも不満を持つと利用をやめてしまうからだ。
 アドビ製品に興味を持ち、ネットで調べる段階、トライアルを利用する段階、購入後にダウンロードしセットアップする段階など、各段階での顧客満足向上を図る必要がある。

(続きは、「日本ネット経済新聞」9月10日号で)

〈プロフィール〉
太田哲也(おおた・てつや)氏
 青山学院大学経営学部卒。アドビのDMEカスタマーエクスペリエンスのシニアマネージャーとして、クリエイティブクラウド、ドキュメントクラウド製品の日本並びにアジアにおけるカスタマーサポートを統括。アドビ入社前は、PC周辺機器メーカーでの米国現地法人勤務、Apple日本法人のパートナーオペレーション部長、レノボジャパンのコンタクトセンター部長、AIG損害保険のシェアードサービス本部長などを経て、19年2月から現職。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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