【コーセープロビジョン 杉崎洋代表取締役社長】〈コーセー初の通販事業子会社として展開〉コーセーならではのEC通じた接客

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 化粧品メーカー大手のコーセーは1946年の創業時から、美容部員による対面販売形式を重視しながら、現在では多様な販売チャネルを展開している。「美しい知恵、人へ、地球へ」という理念のもと、環境・健康を意識した商品を開発している。コーセープロビジョン(本社東京都)はコーセー初の通販事業子会社として2011年にコーセーの100%出資で設立された。ブランドと同じ名称で運営するECサイト「米肌」は、白米をもとに生み出される「ライスパワーエキス」を主成分とした化粧品を通販展開している。設立9年目となる今年3月、社長に就任した杉崎洋代表取締役社長に就任の経緯やEC事業の経営戦略について話を聞いた。

■米肌、2ケタ成長継続

 ─設立して9年が経った。新社長に就任した経緯を聞きたい。
 02年に新卒でコーセーに入社しました。入社後3年間は、茨城県の支店で営業として配属され、その後、本社に異動になりました。ブランドの企画などに携わっていく中で、ECサイト「ジルスチュアート」の立ち上げなどに携わりました。
 11年、コーセープロビジョンの設立と同時に新会社へ配属となり、常務取締役を務めた後、今年3月に代表取締役社長に就任しました。
 ─コーセーは大手メーカーとして百貨店を中心に販売しているが、その中でECの位置付けはどう考えているか。
 設立した当時から、すでにEC市場は大きくなりつつありました。コーセーとしても新たな取り組みの一環として、コーセーグループ唯一の通販事業となるコーセープロビジョンを立ち上げることになりました。
 ECならではの戦略を考えた時に、通常のドラッグストアや百貨店で販売しているコーセーの商品を取り扱うのではなく、ECでしか販売しない新しいブランドを開発して、展開しようと思いました。現在までに毎年、2ケタ成長で伸長しています。


■認知度向上の施策

 ─そうして開発されたのが「米肌」。商品について企画・開発のこだわり、事業戦略について教えてほしい。
 米肌は、「ライスパワーエキス」というコメ由来の成分をメインに配合しています。コーセーの技術をふんだんに盛り込んだ自信作です。主な顧客層は30~40代女性です。
 化粧品は肌に合う、合わないがあります。ECでしか展開していないので、試すことができないこともあって購入をためらうお客さまも多くいます。そういった人たちに向けて、2週間分の「トライアルセット」を販売しています。トライアルセットから、定期購入するお客さまも多くいます。
 米肌の認知度を高めるために、広告には注力してきました。

(続きは、「日本ネット経済新聞」6月27日号で)

〈プロフィール〉
杉崎洋(すぎざき・ひろし)氏
 02年にコーセー入社。茨城県水戸支店にて3年間営業職に従事。05年企画部に配属、ブランド企画・プロモーションの立案・ECサイトの立ち上げなどを担当。16年に通販事業室に配属、米肌ブランドを担当。18年コーセープロビジョン常務取締役に就任。19年から現職。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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