【カゴメ マーケティング本部通販事業部 原浩晃主任】通販売上100億円突破/オンライン・オフラインで新規獲得に成功

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 カゴメの17年12月期の通販売上高は前期比10%増となり、100億円を突破した。顧客分析に基づき、オンラインとオフラインで新規顧客の獲得媒体を広げたことが、売り上げ拡大につながったという。さらに、18年からは社内外のスタッフが一丸となり、CRM施策を展開している。顧客のファン度を可視化し、関係性を深め、収益向上につなげようとしている。マーケティング本部通販事業部の原浩晃主任に、通販事業の取り組みを聞いた。

 ─成長の要因は。

 「つぶより野菜」と、機能性表示食品の「リコピンサプリメント」において、新規顧客の獲得が進み、売り上げは好調に推移している。これまでは新聞広告やCM、折り込み広告をメインとしていたが、オンラインとオフラインで媒体を拡張したのが良かった。
 オフラインだと同封同梱、オンラインだとフェイスブック、ネーティブレコメンドなど面を広げた。顧客分析をしっかりできたことが大きかった。デモグラフィックによる属性分析だけでなく、サイコグラフィック分析により、お客さまの価値観をしっかり見ていった。座談会を実施したり、アンケートを取ったりして、お客さまの趣味・嗜好(しこう)性を把握し、定期のお客さまとお試しで終わってしまうお客さまの価値観がどう異なるのか、定量的にも定性的にも分析した。
 Tポイントを中心としたデータベース・マーケティングを行うカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)と顧客データをマッチングして、定期顧客が外でどのような買い物をしているのか、書籍は何を買っているのかなどを分析した。

 ─具体的にはどのような媒体に広告を展開したのか。

 分析した顧客データを代理店と共有し、当社の顧客像に合ったメディアでプロモーションを展開した。金銭的にも精神的にもゆとりがあり、上質なモノや食にこだわりがある顧客像が見えていたので、同封同梱については百貨店のカタログにチラシを入れたり、歌舞伎の会員向け会報誌に同梱した。
 ファッションカタログではドゥ・クラッセの反響が良かった。ドゥ・クラッセは日経新聞の土曜日版などで顧客獲得していると聞いている。知的でお金に余裕があり、上質なモノを好むお客さんが多いようだ。媒体選定の精度は高く、勝率は7割くらいだったのではないか。


■独自にファン度を計測

 ─今年1月に始動したCRMプロジェクトとは。

(続きは、「日本ネット経済新聞」4月26日・5月3日合併号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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