【買えるAbemaTV社 伊達学 取締役】通販番組を毎週生配信/人に紐づく商品紹介で”面白さ”追求

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 サイバーエージェントが12月1日、テレビ朝日などと共同出資で設立した買えるAbemaTV社(本社東京都、藤田晋社長)は、ネットテレビ局「AbemaTV(アベマTV)」で通販事業を実施している。通販番組は2月1日から、毎週木曜の午後11時から1時間、アベマTV内のチャンネル「AbemaSPECIAL」で生配信。商品は配信中からネットで購入できる。商品を紹介するのは「ハンバイヤー(販売とバイヤーを掛け合わせた造語)」と呼ばれる出演者。自ら選定した商品を、実体験などを絡めて紹介・販売する。物ではなく人にひも付く販売手法で「通販を一から面白くする」のが番組の狙い。自身も〝販売部長〟として番組に出演する伊達学取締役に、初回配信の手応えや今後の事業展望について聞いた。

■物販を収益の柱に

 ーーー初回配信の手応えと、アベマTV上で通販事業を始めた経緯を教えてください。

 初回は物販を行わずに番組紹介だけだったのですが、視聴数に関しては想定より多かった印象です。
 通販事業者からはアベマTVの中で、物販広告や通販チャンネルの開設ができないかという声が以前からありました。われわれとしても通販市場を盛り上げていく施策がないかと考え、まず自分たちで通販事業をやろうということになりました。アベマTVはスマホアプリのダウンロード数が2000万件を超えており、週間アクティブユーザー数も500万人以上となってきたので、集客力も期待できる段階にあります。
 他社の通販番組を配信するチャンネルを開くには時期尚早と考えています。ただ、広告収入とユーザーからの課金収入に加え、いずれは物販を収益の柱として考えなくてはなりません。子会社としての設立は、そこへのチャレンジも込めています。

 ーーーサイバーエージェント、テレビ朝日、ロッピングライフの共同出資で会社を設立した理由は。

 テレビ朝日と共同出資で設立したアベマTVが運営するプラットフォーム上でやる以上、通販にどれくらい番組枠を割くか、ということも考えなければいけないので、テレビ朝日と相談しながら、一緒に作り上げています。
 ロッピングライフには主にロジスティクスの部分でサポートしていただいています。私を含め事業推進メンバーには通販の事業経験がないものが多いので、ロッピングライフの方々とは頻繁にやり取りをしながら進めています。

■エンタメ通販番組目指す

 ーーー誰をターゲットに、どのように訴求するか、通販番組の方向性を教えてください。

 アベマTVの視聴者は10~30代が中心で、性別では若干男性が多いです。そこをターゲットにするので、従来のテレビショッピングとは全く別のものになるでしょう。
 特に若い人たちはネット通販において、いかに安く、便利に買えるかを重要視しています。その要求に応える事業を今から立ち上げて、アマゾンより豊富な品を早く届けるということは、われわれがすべきことではありません。それよりも、通販を一から面白くしていく存在でありたいと考えています。目指すのは〝エンターテインメントショッピング〟。
 商品そのものよりも、人(ハンバイヤー)に結び付いた番組構成による衝動買いを狙っています。商品のスペックや使い方をメインに紹介するよりは、商品の魅力とハンバイヤーの背景が結び付いて「この人が紹介するものなら買ってみたいな」というような納得性によって購入してほしい。

(続きは、「日本ネット経済新聞」3月1日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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