【大丸松坂屋百貨店 DX推進部部長 アナザーアドレス事業責任者 田端竜也氏】 <来店者のCVRは50%超> ファッションサブスク、次世代型OMOストア始動(2026年3月26日号)

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 大丸松坂屋百貨店(本社東京都、宗森耕二社長)が展開するファッションサブスクリプションサービス「AnotherADdress」は、売上高が2桁成長を続けている。2月6日には同サービス初の、次世代型OMOストア「AnotherADdress TOKYO(アナザーアドレストーキョー)」を東京・コレド日本橋3階に開設した。店舗で試着し、そのままレンタルして持ち帰ることができる、新たなファッション体験を提供している。同店は、来店者の有料会員転換率(コンバージョン)が50%を超えるなど、大きな成果につながっている。実店舗を通じたさらなる成長戦略の全容について、事業責任者の田端竜也氏に話を聞いた。

■登録会員数は39万人超

 ─「AnotherADdress」について教えてほしい。
 百貨店業界初のファッションサブスクリプションサービスとして21年3月に誕生した。登録会員数は39万人を超えており(26年1月時点)、在庫数は11万着を取りそろえている。
 このサービスは(1)1着(月額料金5940円)(2)3着(同1万2430円)(3)5着(同2万2000円)─の3プランで展開している。月額料金には、配送料やクリーニング料金も含まれている。割引価格での買い取りも可能だ。
 ちょうど26年2月末で25年度が締まり、3月12日に立ち上げから5周年を迎えた。半期ベースで見ると、一度も落とすことなく、売り上げは拡大し続けている。シェアリングマーケットの醸成には予想より時間がかかるという実感もあり、2030年を見据えた、長期的な視点で取り組んでいる。
 ─多くの支持を得ている要因は。
 環境に良い循環型のビジネスモデルであることや、「ファッション・エンパワーメント」という考え方が時代に合っているのだと思う。オシャレをしたい人は多い一方で、「時間がない」「クローゼットが狭い」「給料が上がらずお金が使えない」「トレンドが多すぎて何を選べばいいか分からない」といったハードルがある。このサービスは、それらの制約を減らし、ファッションを楽しめる点が大きいと考えている。
 当サービスならでの魅力としては、「百貨店ブランドのラインアップ」「自分のクローゼットのように、460以上のブランドから選べる自由度」といった点が挙げられる。カスタマー対応も好評だ。LINEを通したカスタマー対応は、ワン・トゥ・ワンで丁寧に行っており、NPS(顧客推奨度)調査でも、顧客対応の評価が常に最も高い。


■退会・休会率6.5%

 ─平均解約率は0.92%と聞いた。
 確かに純粋な退会率は0.92%と低い。ただ、これには休会中のユーザーは含まれておらず、退会・休会率は、25年度下半期で月6.5%ほどだ。

(続きは、「日本ネット経済新聞」3月26日号で)

<プロフィール>
 三重県伊勢市出身。2011年に大手百貨店の大丸松坂屋百貨店(J.フロントリテイリング)に入社。
大丸札幌店でソムリエとして売り場運営に従事後、J.フロントリテイリングでITを活用した新規事業開発分野を担当した。米国駐在としてスタートアップの投資を担当し、帰国後に社内ベンチャーとしてデザイナーブランドのファッションサブスクリプション事業アナザーアドレスを立ち上げ、責任者として事業全体を統括している。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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