サウンドファン(本社東京都)では、聞こえづらさを解消する「ミライスピーカー」をD2Cで展開している。20年5月の発売以降、シリーズ累計30万台超を販売するヒット商品となっている。23年からは、テレビ通販や卸など、販路を拡大しており、取り扱う実店舗数は、2000店近くになっている。24年2月に発売した、「ミライスピーカー・ミニ」は、従来の商品と比べ、約1万円安い1万9800円。2万円を下回る価格設定が奏功し、大ヒットにつながっているようだ。好調の要因について、山地浩社長に話を聞いた。
─「ミライスピーカー・ミニ」のヒットの要因について教えてください。
24年2月に発売した「ミライスピーカー・ミニ」が、「BCNランキング」のスピーカー部門の、24年機種別販売金額で1位となりました。
ミニは、従来の商品と比べ小型で、機能を向上させながら、価格は1万円安い、1万9800円となっています。?1万円台?という手に取りやすさが、贈答用途なども含め、人気になったのではないかと考えています。
当社はこれまで、ECでの販売が主でしたが、最近は実店舗への卸も急拡大しています。家電量販店やホームセンターなど、全国約2000店で取り扱いがあります。ウェブ広告だけでなく、リアルで目にする機会が増えたことも、ヒットの要因になったと考えています。
テレビ通販では、25年1月6日にQVCで「ミライスピーカー」が大きく取り上げられ、大きく売り上げを伸ばしました。テレビ通販でも、ミニの発売以降、売り上げが急拡大しています。
いわゆる手元スピーカーと呼ばれる商品は、大手メーカーのものも含め、数多く存在しています。価格は1万円台が多いです。ECモールや実店舗では、同じカテゴリーの商品が、横並びで販売されます。そんな中、近い価格帯で販売できるようになったことは、大きな強みになったと感じています。
■他社製品への問い合わせにも
─カスタマーサービスにも注力しているとのことですが。
「ミライスピーカー」は主に高齢者をターゲットにした商品です。そのため、構造は限りなくシンプルな設計になっています。テレビのイヤホンジャックに端子をさして、ボリュームを調整するだけです。
当社の製品の使い方について、問い合わせをいただくケースはほとんどないのですが、テレビ側についての問い合わせを受けることはよくあります。「テレビのイヤホンジャックがどこにあるか分からない」といった内容です。
20年の事業開始直後は、従業員のリソースがなく、そういった問い合わせに対応できていませんでした。「テレビのことは分からないので、テレビのメーカーに聞いてください」といった形だったのです。
ですが、それでは不親切です。現在は、
(続きは、「日本ネット経済新聞」1月30日号で)
<プロフィール>
山地浩氏
1962年生まれ。高知県出身。13年にサウンドファン設立。50歳ごろから趣味でランニングを始め、今ではフルマラソンに参加するほどに。現在は本社近くの隅田川沿いを走るのが日課だという。
【サウンドファン 山地浩社長】 <「ミライスピーカー・ミニ」が大ヒット> 24年1番売れたスピーカーに(2025年1月30日号)
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