大手食品メーカーの明治(本社東京都、松田克也社長)は1月14日、明治の展開する「Savas(ザバス)」などの各ブランドのウェブサービスを横断する、「明治会員ID」と「明治ポイント」の本格運用を開始した。同ポイントサービスは、コンビニやスーパー、ドラッグストアなどの小売店で使えるクーポンと交換できる、提携先の企業を巻き込んだOMO施策だ。「これまで点と点だった、各ブランドの顧客コミュニケーションを線で結び、購買シーンへと昇華する明治全体のDXマーケティングだ」と話す、明治価値創造戦略本部戦略推進部コンテンツ開発G(グループ)長で、明治ホールディングスグループDX戦略部も兼務する川端善也氏と、同コンテンツ開発Gの栗原俊祐氏、サービスの立ち上げから伴走してきたWellnize(ウェルナイズ、本社東京都)の木下寛大代表取締役兼執行役CEOの3人に、明治のDX戦略について聞いた。
■各ブランド横断で
─「明治会員ID」と「明治ポイント」のサービスについて聞きたい。
栗原 「明治会員ID」は、明治が提供するブランドの公式アプリなどのウェブサービスを、共通IDで使えるサービスだ。プロテインの「ザバス」や育児アプリの「赤ちゃんノート」といったウェブサービスを、横断的に利用できる。
「明治ポイント」は、「明治会員限定のキャンペーン」に参加したり、明治の提供するウェブサービスやアプリを利用したりすることで獲得できるポイントだ。貯まったポイントは、明治の商品と交換可能なクーポンと引き換えることができる。クーポンの交換は、コンビニやドラッグストア、スーパーなどの、明治が提携するパートナー企業の店舗で行える。
「明治ポイント」は、アプリをダウンロードしたり記事を閲覧したりするとたまる。工場の見学や食育体験などのイベントに参加しても、ためられるようにしていくことを計画している。
サービスを開始した1月14日には、「明治会員ID新規登録キャンペーン」もスタートした。「明治会員ID」に登録し、キャンペーンにエントリーしていただくと、200ポイントを付与する。ポイントは、「明治エッセルスーパーカップ」や、乳酸菌飲料の「R―1」などと交換可能なクーポンと引き換えることができる。クーポンは、全国のセブンイレブンで使うことができる。
今後、クーポンを使用できる小売店舗も増やしていく。ドラッグストアやスーパーに協業を打診している。
■会員数目標は15万人
─小売店舗を巻き込んだOMOサービスにした狙いは。
川端 多くのお客さまにとって、明治の商品は、店頭で買っていただく機会がほとんどだ。「明治ID」や明治のウェブサービスでお客さまとワン・トゥ・ワンのコミュニケーションをとりつつ、パートナー企業の店舗に送客する仕組みが作れれば、パートナーと共創関係を作っていけると考えた。
明治ではこれまで、
(続きは、「日本ネット経済新聞」1月23日号で)
【明治 価値創造戦略本部 戦略推進部 コンテンツ開発G長 明治ホールディングスグループDX戦略部兼務 川端善也氏 コンテンツ開発G 栗原俊祐氏 Wellnize 代表取締役兼執行役CEO 木下寛大氏】 <「明治会員ID」「明治ポイント」を本格開始> 点から線へ、小売店巻き込む明治のDX(2025年1月23日号)
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