楽天/無人配送で京東と連携/大型ドローン、配送ロボ導入

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(写真左より)楽天のドローン・UGV事業部の向井秀明ジェネラルマネージャー、楽天の安藤公二常務執行役員、京東集団の肖軍副総裁兼X事業部総裁、

(写真左より)楽天のドローン・UGV事業部の向井秀明ジェネラルマネージャー、楽天の安藤公二常務執行役員、京東集団の肖軍副総裁兼X事業部総裁、

 楽天は2月21日、中国EC大手の京東集団と無人配送ソリューションにおいて連携すると発表した。京東が開発した大型ドローンや地上配送ロボット(UGV)を楽天が導入し、国内での無人配送ソリューションの実用化を推進する。
 楽天は16年、ドローン配送サービス「楽天ドローン」の試験提供を開始した。これまでは自律制御システム研究所と共同開発したドローン「天空」を活用していたが、京東集団の大型ドローンはより高機能だという。
 「天空」の最大積載量は2キログラム、走行距離が10キロメートルであるのに対し、京東集団から導入するドローンは最大積載量が5キログラム、走行距離は16キロメートルもある。今後は「天空」と京東集団のドローンを使い分けていく方針だ。
 今回導入するUGVの最大積載量は50キログラム、最大走行時速は15キロメートル。専用のスマホアプリと連携し、配送中の位置を確認したり、到着を知らせたり、解錠用のPINコードを送付したりできるようにする。私有地などで試験運用を行う計画だ。
 楽天によると「現在、都市部ではドローンもUGVも利用できない。UGVはまだ公道を走ることもできない。ただ、将来的にはドローンやUGVを組み合わせることで、ラストワンマイルまで無人で配送できるようになると考えている」(安藤公二常務執行役員)と話す。
 UGVの規制緩和についても行政と協議を始めているという。
 「無人配送ソリューションが実用化できれば、楽天市場の流通総額拡大に大いに寄与すると考えている。夜中であろうが早朝であろうが、倉庫に商品があればすぐに届けることができる。再配達もなくなるだろうし、ドライバー不足や交通渋滞も関係ない。ECだけでなく、レストランのフードデリバリーや法人向けの緊急配送需要にも可能性がある」(同)と見ている。
 年内に、今回導入したドローンやUGVの試験運用に向けた具体的な取り組みを発表する予定だという。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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