楽天 18年4—6月期/国内EC流通総額11%増/ファッションや書籍がけん引

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 楽天の18年4—6月期(純第2四半期)における国内EC流通総額は、前年同期比11.1%増の9023億円だった。ファッションや書籍販売サービスが拡大し、流通総額の増加をけん引。一方、国内EC事業の営業利益は配送コストの増加などにより、同19.1%減の148億4300万円に減少した。
 国内EC事業の売上高において、ファッションECサービス「楽天ブランドアベニュー」が同57.6%増、書籍販売サービス「楽天ブックス」が同32.6%増と拡大し、流通総額の増加をけん引した。「楽天ブランドアベニュー」はテレビCM放映による認知度拡大が奏功。「楽天ブックス」はSPU(スーパーポイントアップ)の対象サービスになった効果が出た。
 フリマアプリ事業も好調だという。「『ラクマ』にサービスを一本化し、手数料を有料化したが、高い成長率を維持している。CtoC特有のユーザー層を『楽天エコシステム』に取り入れることに成功している」(常務執行役員コマースカンパニー シニアヴァイスプレジデント・河野奈保氏)と話す。
 楽天は「楽天エコシステム」の戦略により、グループの会員基盤を統合し、複数サービスの利用を進めている。現在のメンバーシップバリュー(延べサービス利用者数×LTV)は約4兆円だというが、サービスの利用数拡大などを推進し、近いうちに10兆円規模に拡大したい考えだ。
 「楽天エコシステム」の鍵となるのが、モバイルキャリア事業と物流事業だという。楽天市場の物流を一元化する「One Dlively(ワンデリバリー)」構想の実現に向けた投資も強化する。
 「(以前の楽天物流はうまくいかなかったが)問題点がクリアになり、さらに進化している。今回は覚悟を持って取り組む」(副社長執行役員コマースカンパニー プレジデント・武田和徳氏)と説明する。

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