スタートトゥデイは4月27日、同社初の中期経営計画(中計)を発表した。3年後の2021年3月期には商品取扱高を7150億円にまで拡大する計画を明らかにした。成長の鍵となるのが、プライベート(PB=自主企画)商品。21年3月期にPB商品の売上高を2000億円にまで拡大する計画だ。PB商品は全身を計測できるスーツを利用することでサイズの悩みを解決できる点が売り。スーツをリニューアルし、配布計画を仕切り直しできたことで、販売計画の見込みが立ったようだ。PB商品は海外市場開拓の鍵にもなる。
スタートトゥデイの18年3月期における商品取扱高は、前期比27.6%増の2705億4300万円だった。中計では21年3月期に商品取扱高を2.6倍の7150億円にまで拡大するという。
前澤友作社長は「中計を達成するためにはPBが必要不可欠だ」と解説する。
主力のゾゾタウン事業に加えて、PB商品「ZOZO(ゾゾ)」をもう一つの柱に成長させ、商品取扱高の拡大スピードを加速させたい考えだ。
■新スーツで巻き返し
PB商品は全身計測用のスーツ「ZOZOSUIT(ゾゾスーツ)」を活用することで、購入者の体にジャストフィットする点が特徴。昨年11月に「ゾゾスーツ」の予約受け付けを開始すると、現在までに100万件以上の注文が入ったという。
ただ、センサーを内蔵した「ゾゾスーツ」の生産体制を整備できず、大半の注文者にスーツを届けられない事態に陥っていた。
この事態を解消するため、スタートトゥデイは「新ゾゾスーツ」を開発。センサーを内蔵している初期モデルとは異なり、マーカー(ドット)をプリントしたスーツを着用し、スマホで全身を撮影することでサイズの計測が可能になる。
「すでに本日(4月27日)、約4000枚の『新ゾゾスーツ』を発送した」(前澤社長)と言う。
「新ゾゾスーツ」は大量生産が比較的容易なため、100万件超の注文者には夏までに配送を完了する予定。さらに19年3月期中に600万〜1000万枚を無料で配布する計画だという。
■計測者の半分が購入
「新ゾゾスーツ」の19年3月期の売り上げ目標は200億円だ。この計画は「旧ゾゾスーツ」を配布したユーザーの購買データから算出している。
(続きは「日本ネット経済新聞」5月10日号で)
スタートトゥデイ/3年で取扱高7150億円/新中計を発表、PBが成長の鍵
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