アマゾンジャパン/FBAの手数料を改定/配送料値上げの影響が背景か

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 アマゾンジャパンは4月24日、Amazonの物流代行サービス「フルフィルメントbyAmazon(FBA)」の手数料や料金体系を改定する。「配送代行手数料」など、いくつかの手数料については実質的に値上げとなる。アマゾンジャパンでは「保管や輸送、カスタマーサービスのコスト上昇を受け改定を行った」としている。Amazon出品サービスに詳しいアグザルファの比良益章社長は「ヤマト運輸による配送料の値上げの影響が大きかったのではないか」と話している。
 料金改定の対象となるのは「配送代行手数料」「在庫保管手数料」「商品ラベル添付サービス手数料」「購入者返品手数料」「納品不備受領作業手数料」の五つ。商品の出荷作業に関する「配送代行手数料」は、3辺の合計が100センチメートル未満のサイズの商品で、530円が622円になり、92円の値上げとなる。FBAを通じて月間1000個の商品を出荷している場合、年間約110万円のコスト増になる計算だ。
 3辺の合計が170センチメートル以上200センチメートル未満の特殊大型区分の商品の値上げ幅が最も大きい。1258円だった配送代行手数料が1398円となり、140円の値上げとなる。アマゾンジャパンによると、新料金体系では、SDカードなど一部の小型商品でFBAを利用すると、値下げになるケースもあるという。
 料金改定は4月24日に行うが、「在庫保管手数料」のみは、18年5月1日からの料金改定となる。4月30日在庫分までの適用では、月間1個当たり8.126円の基礎手数料に、商品サイズと保管日数を掛け合わせた金額が、在庫保管手数料として徴収される。5月1日以降は時期ごとに異なる基礎手数料を採用。1―9月は一個当たり7.8円、10―12月は同9円になる。商品の流通量が増加する年末の手数料が値上げになるため、多くの事業者にとっては、実質的に値上げになるとみられている。
 FBAを利用している事業者からは、「やむを得ない。値上げによる影響はまだ試算できていない」(大手家電EC)や、「月間9万~10万円のコスト増となる。ただ、配送料値上げの問題があるので、これぐらいの値上げ幅ならやむなし」(健康食品EC企業)といった、値上げを受け入れざるを得ないという意見が多く聞かれた。
 比良社長は「今後も定期的に値上げはあるだろうが、FBAは出品者にとって非常に便利で売り上げにも影響するため、やめるという選択は難しい」と話している。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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