【経産省が22年のEC市場規模を発表】物販EC市場は5.37%増/23年の成長率は5%切るとの予測も(2023年9月7日号)

  • 定期購読する
  • 業界データ購入
  • デジタル版で読む

 経済産業省は8月31日、22年の国内における物販EC市場規模が前年比5・37%増の13兆9997億円になったと発表した。物販EC市場の成長率は、同3.24ポイント減となっている。コロナ禍の巣ごもり需要の反動減が主な要因だが、専門家からは「23年の物販EC市場の成長率は5%を切る」という予測の声も上がっている。EC市場が成長鈍化フェーズに突入したとの見方もある。

 経産省は「令和4年(22年)度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」の調査結果を発表した。国内BtoC―EC(消費者向け電子商取引)市場規模は、同9.91%増の22兆7449億円になった。
 物販EC市場におけるEC化率は同0・35ポイント増の9.13%だった。
 物販EC市場は成長しているものの、成長率は鈍化している。コロナ禍の反動が主な要因として考えられるものの、この成長鈍化は一過性のものではないとの見方もある。
 大和総研時代に経産省のEC市場規模調査を担当していたデジタルコマース総合研究所の本谷知彦代表は、「コロナ禍の沈静化による消費者のリアル回帰によって、国内のBtoC―EC市場の成長鈍化が顕著化し始めたとみるのが正しいだろう」と話す。
 コンサルティングを行う、いろはの竹内謙礼代表は、「物販EC市場の成長率は明らかに鈍化しており、コロナ前よりも成長が鈍くなっている。一方、EC化率は着実に伸びている。つまり市場が大きく伸びていないのに、ECの占める割合が増えているということは、EC内における競争が激しくなっていると推測できる」(竹内氏)と話す。


■リアル回帰が主因

 23年の物販EC市場についても、竹内代表と本谷代表は口をそろえて、「成長率は5%を下回るのではないか」と予測している。

(続きは、「日本ネット経済新聞」9月7日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

Page Topへ