【サウナのEC】 ブームの変化に動き活発化/健康美容、野外利用にも広がり(2023年1月26日号)

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「サウナクラウド」では、サウナ本体やグッズを含め500点近くサブスクで提供している

「サウナクラウド」では、サウナ本体やグッズを含め500点近くサブスクで提供している

 サウナブームが次のフェーズに移行しつつある中、サウナや関連用品を取り扱うEC企業の仕掛けが始まっている。中でも、サウナ用品は他業種との相性が良く、商品開発の点からもコラボレーションがしやすい利点がある。サウナは体験商材であり、顧客がファンになりやすく、ECでも高価格帯のサウナ本体の購入につながりやすい。今後は、ブームを土台に「健康・美容」「アウトドア」の展開に進む可能性も高い。ブームで終わらせず、文化として根付けばサウナのEC市場は今後も拡大していくと予想される。

■ECのメリット生かす

 現在、サウナ用品の販売は温浴施設や小売店、ECサイトなどに広がっており、競争が激化している。コロナの沈静化でリアル店舗への回帰が進み、サウナ用品のポップアップイベントも増えている。
 一方、サウナ本体の販売はECが有利に働いているようだ。SNSを効果的に活用できることに加え、サウナの利用目的を明確に訴求しやすいからだ。
 温浴施設だけでなく外出先でもサウナを楽しみたいユーザーが増加し、持ち運びが便利なテントサウナなどは、まさにEC向きといえる。リアル店舗では実体験が難しい半面、ECは動画コンテンツなどを駆使してアピールできる。サウナが体験できるイベントを定期的に開催してファンの獲得につなげる動きもある。
 メトロノーム(本社東京都、島崎洋輔CEO)が運営するサウナや岩盤浴のサブスクリプションサービス「SAUNACLOUD(サウナクラウド)」は、個人や法人のニーズを捉えて事業を拡大している。利用目的に応じ、レンタルできるプランも人気だ。


■体験から500台の販売に

 Vanwaves(ヴァンウェイブス、本社千葉県、深田渚央社長)は22年3月、テントサウナのECサイト「IESAUNA(イエサウナ)」を開設し、販売を伸ばしている。
 同社が販売するテントサウナの販売価格は税込19万8000円。高額だが、すでに販売数は予想を超えて500台に到達。生産が追い付かない状況を受けて、「今年1月から生産体制をさらに強化する」(深田社長)。
 「イエサウナ」は無煙タイプのテントサウナで、戸建てやマンションのベランダなどに設置できるのが特徴だ。同社が独自開発したバイオストーブにより無煙化を実現、使用後のゴミが出ないよう環境に配慮した。狭いベランダなどにも設置できることから、椅子やテーブル、雑貨などを配置してユーザー独自のプライベートサウナを作ることができる。

(続きは、「日本ネット経済新聞」1月26日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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