〈美容サプリEC各社〉 ファン増やすCRM施策強化/SNSなど活用、リピーター9割の企業も (2022年4月7日号)

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スピックの人気商品「Lypo―C」

スピックの人気商品「Lypo―C」

 「ファンづくり」の強化に乗り出して実績を挙げる、美容・健康サプリメントのEC企業が増えている。22年3月期のEC売上高が前期比26%増となったSPIC(スピック)も「ファンづくり」を強化しており、現在では、EC購入者のうち約3分の2がリピーターだという。同社では、主力商品に特化した自社サイト作りを推進し、ファンの拡大や、LTVの向上につなげている。エミネットも独自のファンづくりが奏功、顧客の7割が3年以上定期購入を継続しているという。SNSやLINEを使った展開が、「ファンづくり」に寄与しているようだ。

■専門サイトでLTV向上

 サプリメントやスキンケア化粧品など、幅広い商品の開発・製造を行うSPIC(本社神奈川県)は、ECの購入者のうち、約3分の2がリピーターだという。同社は自社サイトやモールなどで商品の販売を行っており、22年3月期のEC売上高は、前期比26%増の19億4368万円となった。
 同社のヒット商品となっているのが、液状のビタミンCサプリメント「Lypo―C(リポシー) リポ・カプセル ビタミンC」。同商品は、美容室・美容サロン・クリニックなどの、現場の声や要望を吸い上げて、開発・製造を行ったもので、15年1月の発売以来、多くの人に愛飲されているという。
 16年に「Lypo―C」専用の自社ECサイトを開設し、顧客が深く理解できるように商品ごとの魅力を伝えていったところ、リピート購入率やLTVが高まることになったという。以前は、一つのサイトで総合的に商品を取り扱っていたが、主力の「Lypo―C」に特化した自社ECサイトを別に立ち上げたことが奏功した。
 21年2月には、「Lypo―C」の専用サイトをリニューアル。「ショッピングサイト」と「ブランドサイト」を分割した。「消費者が商品についてより詳しく知り、納得してから購入できる」ようにするための施策だったという。
 こうした戦略的な棲み分けも一因となり、「Lypo―C」の自社ECサイトでは初回購入時から定期購入に申し込む新規顧客も少ないそうだ。リピーターやファンは、モールよりも自社サイトで購入することが多いという。自社サイトからの購入比率は、EC売り上げの約8割を占めているとしている。
 メルマガなどを通して「ファンづくり」に取り組み、LTV向上につなげている企業もある。


■リピーター9割

 北海道サラブレッドのプラセンタを配合したサプリメント「CoCoRo(ココロ)プラセンタ」などを販売するCoCoRo(ココロ、本社福岡県)は、EC購入者の約9割がリピーターだという。ECの初回購入者のうち、リピート購入するユーザーの割合も、約60%と高い水準となっている。

(続きは、「日本ネット経済新聞」4月7日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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