【英国デカトロン マーケットプレイス責任者 ラリー・ボーウェン氏】 <世界最大級のスポーツ用品店のモール化戦略> ニッチな商品拡充、リアルの強みも活用(2024年1月18日号)

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 世界最大級のスポーツ用品店チェーンを展開するデカトロンは、ECサイトの品ぞろえをさらに強固にするために、フランスや英国などでオンラインマーケットプレイスのモデルを導入している。英国デカトロンでは、マーケットプレイスの成果が如実に表われている。マーケットプレイス導入により、英国での販売事業者は200店舗以上となり、品ぞろえも15万品目になっている。OMO(ネットとリアルの融合)を加速する上でもマーケットプレイスは生きている。「マーケットプレイス化のメリット」「導入のハードル」などについて、英国デカトロンでマーケットプレイス責任者を務めるラリー・ボーウェン氏に聞いた。

■ECと店舗でシナジー

 ─まずデカトロンの事業概要やボーウェン氏の役職について教えてほしい。
 デカトロンは世界で最も大きなスポーツ用品のリテーラーだ。フランスの会社で、47年以上の歴史がある。
 店舗では、子どもに買うような初級者用の買いやすい用品から、プロ向けのレベルの高い仕様のものまで幅広くそろえている。
 もともとはオフラインの店舗のみだったが、環境の変化に応じて、より購入者にアクセスができるよう進化を重ね、ECやオンラインマーケットプレイスも展開している。
 私は英国のマーケットプレイスを統括している。世界24カ国以上でそれぞれのマーケットプレイスを運営しており、それらの本部はベルギーにある。デカトロンは、特に欧州と東南アジアで非常に強いプレゼンス(存在感)がある。
 ─オフラインとオンラインのシナジーは。
 英国の全てのお客さまが実店舗に来ていただけるわけではない。オフラインとオンラインのチャネルを持つことで、お客さまに多様な選択肢を提供できている。
 実店舗で商品を触って確かめることもできるし、スポーツの専門家に相談することもできる。店舗スタッフがお客さまに代わってオンラインで発注することができ、発注した商品をお店に来て引き取ることもできるし、お客さまの家に届けることもできる。
 実店舗に来る前に、オンラインでどんな選択肢があるのか、どんなオプションがあるのか、あらかじめ確認してから来店するお客さまも多い。自社商品であれば、オンラインで発注したものを店舗で受け取ることもできる。


■データを有効活用

 ─オンラインマーケットプレイスを導入した経緯は。

(続きは、「日本流通産業新聞」1月18日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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