【 ヤング・リビング・ジャパン・インク 中川利光社長、黄木悠エグゼクティブディレクター】真のヤング・リビングの社会的価値の共有が鍵に

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中川日本支社長(写真右)と黄木エグゼクティブディレクター

中川日本支社長(写真右)と黄木エグゼクティブディレクター

 エッセンシャルオイルをネットワークビジネス(NB)で展開するヤング・リビング・ジャパン・インク(本社東京都)の新社長に中川利光シニアディレクターが昇格した。前社長の黄木悠氏は、米国本社のインターナショナル・マーケティング・エグゼクティブディレクターに就任し、アジア太平洋地域向けの製品開発やマーケティングなどを統括する。同社の20年12月期の売上高は、前期比14%増の見通した。業績や今回の新人事、21年の施策などを中川新社長と黄木エグゼクティブディレクターに聞いた。

 ─20年12月の業績が好調だった。
 黄木 米国やアジア太平洋地域(APAC)などグローバル全体では、20億ドル(約2000億円)を目標にしており、具体的な数値は公開できないが目標達成には近づいている。売り上げの約半数を米国が占めており、2位はカナダ、3位以降はフィリピンやインドネシアが競い合っている。日本はAPACの中で真ん中という位置づけとなっている。
 中川 APACでの売上高は前期比30%増で推移し、日本は同12%増の成長を見込んでいる。日本は前期に続き2桁増収を達成した。APAC全体では、毎月約5~8万人が新規登録をしている。日本国内でも、20年7月と9月に過去最高の新規登録を達成している。12月の新規登録も順調に推移している。
 5月に大麻草由来の成分カンナビジオール(CBD)を配合した化粧品「ネイチャーズウルトラ」シリーズと、10月に植物幹細胞を用いたスキンケア用品「ブルーム」シリーズを投入したことが主な増収要因となった。
 ─製品以外の理念の共有が功を奏している。
 中川 20年では、製品価値だけでなく、会社の理念、ビジネスの側面を強調したことも成長の要因とみている。ヤング・リビングの会員として、健康や家庭を守ることなど、社会的な価値を提供するということを会員に意識してもらうことで、会員の志と動機モチベーションが向上した。
 実際に、エグゼクティブ、シルバー、やゴールド、エグゼクティブなどタイトルを獲得する会員が右肩上がりで増えている。これまで愛用者志向だった会員が収入を得ることで、ヤング・リビングを共有する喜びと可能性ビジネスに目覚めるケースが増えている。
 ─今回の人事異動について。
 黄木 20年夏頃から、米国本社で大きな組織変更を行う動きが活発になっていた。米国・カナダ・南米のグループを「アメリカズ」とし、もう一つは、日本を含めてAPACなど北米や南米以外の国や地域を「インターナショナル」というグループに再編した。
 特に、日本やAPACの成長は著しく、インターナショナル内でも、マーケティングの部署が新たに編成された。そこで、APACでのマーケティングを理解している人材が必要だということで本社から就任の要請があって引き受けた。
 中川 20年10月末に、黄木から新社長就任を要請された。ヤング・リビングのビジョンの実現に向けて、さまざまな施策に取り組んでいきたいと考えている。社長に就任すると決まってからは、とにかく、大変だと思っている。
 黄木 ヤング・リビングが次の段階にステップアップするため、業界の知識や経験だけでなく、リーダーとして舵取りができる人材が必要だったので、中川なら安心して任せることができると確信していた。
 ─中部大学大学院の禹済泰(ウ・ゼテ)教授がジア太平洋地域科学部門の責任者に就任した。
 黄木 CBDを始めとして、ヤング・リビングとして製品力を高める必要がある。自然の生命エネルギーを発見し、探求を続けることがミッションとなっている。時代のニーズに合わせて、科学的な根拠があり、体感を得やすい製品を開発し続けていく。そこで、沖縄独自の自生薬草の分野に詳しいウ教授の研究や知識が必要となった。
 中川 20年6月に、ヤング・リビングが投資を行い、中部大学と共同で「ゲリー・ヤング基金」という研究プロジェクトを立ち上げて進めていた。今年3月には、中部大と複数の研究成果を発表する。また、中部大は琉球大とも一緒に研究を進めている。具体的な研究成果をまだ発表できないが、沖縄古来の長寿成分の抽出方法を確立しつつある。
 中川 ウ教授の研究により、沖縄の素材を生かし、長寿成分などを配合した、エッセンシャルオイルやサプリメントを「メイド・イン・ジャパン」として開発することが可能になる。日本で開発した製品は、APACでの流通も視野に入れている。研究を進めていくために、20年12月10日付けで、「天然資源研究開発センター」という新たな法人も設立している。
 ─21年の展望や施策について。
 中川 今期に引き続き来期も12%以上の増収を達成していきたい。営業利益も10%超えを出すことを目標に掲げている。売り上げをけん引していくような強い新製品の投入も予定している。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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