【生活総合サービス マーケティング部 村尾梨香氏】 〈「ていねい通販」を展開する〉インフルエンサーの活用強化

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 「ていねい通販」の屋号で健康食品の通販事業を展開する生活総合サービス(本社大阪府、古賀淳一社長)は、ウェブを使って新規顧客を獲得している。健康食品通販事業者の多くは、インフォマーシャルや紙媒体を活用しており、ウェブの活用は不得意とされる。ウェブ活用の具体例を、新規開拓を担当するマーケティング部の村尾梨香氏に聞いた。

■新規の9割をウェブで獲得

 ─現在担当されている業務は。
 新規顧客獲得のためのスマホを中心としたウェブ広告運用です。以前は長尺のインフォマーシャルや新聞折り込みチラシも行っていましたが、現在は新規顧客の9割がウェブ広告からの購入となっています。
 ─ウェブ広告に切り替えた理由は。
 もともとは健康食品の王道とも言える長尺のインフォマーシャルによって、会社も成長していきましたが、次第に効率が悪くなってきました。苦戦している最中、看板商品「すっぽん小町」の商品特性とウェブターゲットの相性が良いことが分かり、世の中のスマホシフトのタイミングとともに、ウェブ広告のアクセルを踏むことによってウェブの売り上げを大きく伸ばすことができました。
 ─「ていねい通販」の会員数は。
 顧客数は約230万人ですが、1年以内に購入いただいたアクティブユーザー数でいうと約40万人です。定期購買というビジネスモデル上、アクティブユーザーの多くは直近6カ月以内のお客さまです。過去1年で見ている理由は、新規獲得の広告と比べた際に投資対効果が良い層との線引きのためです。またこの1年以内の顧客との接点の持ち方が、もう一度ご縁をいただけるかの肝となってきます。
 ─年間どれくらいの新規顧客を獲得しているのか。
 約8万人です。ていねい通販は無料サンプルなどの2ステップマーケティングを行っていないため、獲得数は少ない印象を持つ方も多いかと思います。ただ定期購買から始めてくださる方が多いため、生涯売り上げが高く、売り上げ向上につながっています。
 ─新規獲得が年間8万人で年商が約70億円は結構すごいのでは。
 売り上げ規模を追っているわけではないのですが、ていねい通販は、お客さまとの「一日でも長いお付き合い」を目指して、新規獲得以上に既存のお客さまとの関係作りに力を入れています。そのため定期購買の継続率が高く、売り上げの8割が定期購買によって生まれています。


■SNSを使い、実体験を投稿

 ─健康食品の通販事業において、ウェブで新規を獲得するところは少ないと思う。どのような方法で獲得しているのか。
 商品の打ち出しをウェブターゲットに突出させ、クリエーティブ自体もターゲット層に寄せて作っています。

(続きは、「日本流通産業新聞」」12月3日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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