【フーディソン 魚ポチ事業部長 日下部俊典氏】データで生鮮流通を効率化(2024年6月6日号)

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 フーディソンの鮮魚を中心とする飲食店向けのBtoB―ECサービス「魚ポチ」は、2014年のサービス開始から10年目を迎えた。10年間で事業は大きく成長し、2024年3月期の魚ポチ事業のBtoBコマース売上高は前期比25.2%増の49億7900万円に達した。成長の鍵はITを駆使したECとサプライチェーンにおけるテクノロジーの追求にあるようだ。産地と消費地の情報をつなげてデータ化し、生鮮流通の効率化を図る同社の成長性に注目が集まっている。

 ─「魚ポチ」開発のきっかけは。
 創業者でCEOの山本徹が水産業界の非効率に着目したことが始まり。
 サービス開始当初は、魚の仕入れ方法も分からない状態から事業がスタート。徐々に顧客ニーズの検証に移った。「鮮魚ボックス」という3000~5000円の商品から販売を開始して、50~100件の顧客を獲得するまで愚直な営業を続けた。その中で鮮魚ボックス単品ではなく、多種多様な商品を小ロットで注文したいという顧客のニーズに対応するため、ECの導入を決断した。
 ─事業を進める中で、どのような苦労があったか。
 軌道に乗るまでに、大きく二つの課題に直面した。
 一つは、水産品情報のデジタル化が難しかった点だ。2つ目は、情報のデジタル化だけでは顧客の期待に応えられなかった点。
 水産品は毎日、水揚げされるため同じ商品はなく、価格も常に変動する。エクセルで日々、数千種類以上の商品を人の力で正確に扱うことが難しい。欲しい食材をすぐに見つけられるECの仕組みや顧客管理システムを作ることに時間を要した。
 サービス開始当初の魚ポチは、市場内外の流通事業者に商品選定から配送までを全て委託していたが、品質やコスト、納期のコントロールが非常に難しかった。
 情報のデジタル化さえできれば、水産流通の非効率を解消できると考えていた。実際は、魚ポチに掲載してある商品とは異なる在庫品が出荷されたり、欠品やピッキングミスの多発、水産流通の不確実性をコントロールすることができず、クレームが出てしまう状態だった。
 結果、社内に調達・物流部門を設立して産地からラストワンマイルまで自社でコントロールすることにした。これらによって、顧客に価値を提供できることに気付いた。
 単なる情報のデジタル化に留まらず、自社でアセットを持ってサプライチェーン全体を管理する覚悟こそが、水産流通に貢献するために重要だ。
 ─自前での仕入れもコスト調整が難しいと思う。
 当社で仕入れ量や価格を日々調整できるため、在庫破棄はほとんどない。
 業務効率を考えるにあたっては、当然、すべての業務を自社で完結せずに産地の仲買人や市場関係者らと販売情報を連携しながらマーチャンダイジングの効率化を進めている。
 ─IT化による成果はどうか。

(続きは、「日本流通産業新聞」6月6日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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