オイシックス・ラ・大地 21年3月期/連結売上1000億円に/通販・宅配で815億円(2021年5月20日号)

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 オイシックス・ラ・大地は、21年3月期の連結売上高が前期比41%増の1000億6100万円円となった。コロナ禍で新規会員数が「Oisix」「大地を守る会」「らでぃっしゅぼーや」でそれぞれ増加したほか、会員の購入単価が上昇した。3ブランド合計売上高は815億3000万円だった。
 食品EC「Oisix」の売上高は同39%増の498億6000万円、営業利益は同87%増の89億8000万円。新型コロナウイルスの影響による出荷キャパシティの圧迫が解消し、通期で会員が約7万人増えた。21年3月期における会員1人当たりの新規獲得コストは1万5000円前後だったという。
 「Oisix」の会員数は同29%増の30万8899人で、会員1人当たりの月間購入金額は同11%増の1万3042円。自宅で食事をする機会が増えたほか、「巣ごもり需要」も取り込んだ。
 ミールキット「Kit Oisix」の定期会員は同48%増の22万2494人。食数は累計8000万食を突破した。ディズニーと共同開発したミールキットやヴィーガン向け商品の需要が増した。
 純第4四半期(21年1―3月)は関西と東海地区でテレビCMを放送して認知の拡大を図り、同期は会員が2万人増えた。
 22年3月期は、カスタマーエクスペリエンスを軸に据え、食育の価値提案を強化するほか、朝や昼メニューの拡充を図る。賞味期限を長期化するほか、冷凍のミールキットの品目を増やす。生産者と共同開発した添加物の少ないプライベートブランド商品も増やす。
 フードロスを減らす取り組み「サステナブルリテール」を、ミールキットで実施して食品ロスを従来の3分の1に減らすほか、26年3月期までにカーボンニュートラルの達成を目指す。
 5月13日の決算説明会で、高島宏平社長は「20年は食品EC元年になった。働き方も変化しており、結果的に自宅で料理をする回数が増える。消費者の健康意識の高まりも後押しになるだろう」という見通しを示した。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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