千趣会/ブライダル事業売却/通販事業に経営資源を投下

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 千趣会は3月、ブライダル事業を売却すると発表した。持分法適用関連会社で、ブライダル事業を手掛けるワタベウェディング(ワタベ)の株式は無償譲渡および売却するほか、連結子会社のディアーズ・ブレイン(DB、本社東京都、小岸弘和代表)やプラネットワークの株式はベンチャーキャピタル(VC)に譲渡する。新型コロナウイルスによるブライダル事業への影響が不透明な状況下、通信販売事業をコア事業と位置付け、経営資源を集中的に投下する。
 千趣会やDBが保有するワタベの株式は、ワタベのスポンサーとして名乗りを上げている興和に一部無償譲渡する。無償譲渡しない株式は1株当たり40円で売却する。
 ワタベは20年12月期で債務超過に陥っており、スポンサー候補として興和の提案が最善の策と判断。千趣会は興和によるワタベの完全子会社化に向けて、両社に協力することを決議した。
 株式無償譲渡日は6月23日、株式併合効力発生日は6月30日の予定。千趣会は21年1―3月期の個別決算において、関係会社評価損6億2300万円を特別損失として計上する。ワタベは21年4月以降、千趣会の持分法適用関連会社から除外となる。
 DBおよびプラネットワークの株式は3月31日付で、VCが出資するディアーズ・ブレインホールディングス(DBHD)に譲渡する。千趣会はDBHDに対して議決権比率5%を出資し、DBHDとの業務提携契約を提携することを決議した。
 ウイズコロナ・アフターコロナにおけるブライダル事業の状況が見通せない中、株式の譲渡や資本業務提携を締結することが財務基盤を強固にし、企業価値の向上につながると判断した。株式譲渡価額は公表していない。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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