〈訪販・食品宅配各社〉 CSRに営業活動で貢献/個別訪問による信頼が強みに

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バイクにステッカーを貼付。地域の防犯や高齢者の見守り活動につなげている

 ダスキン、ヤクルト本社、ワタミ、シニアライフクリエイトといった訪販・食品宅配の大手が、主に訪問販売による営業活動を通じ、高齢者の見守りや特殊詐欺をはじめとする地域の防犯などの社会貢献活動(CSR)に取り組んでいる。こうした活動は現場で働く販売員の士気を高めるほか、地域の信頼を得て業績に好影響を与えている。訪販の強みは、見知った販売員が消費者宅を定期的に戸別訪問できる点。警察機関や地方自治体から提携の依頼も多く、顧客との強い信頼関係に期待を寄せる。大手以外でも災害や新型コロナウイルスをきっかけに消費者や販売員に貢献しようとする動きもあり、営業活動の先にあるCSR活動に関心が高まりつつある。

【ヤクルト本社】全国の自治体・警察と連携

 ヤクルト本社は、古くから販売員「ヤクルトレディ(YL)」による地域社会貢献活動に積極的だ。1972年から自治体の要請を受けてYLが一人暮らしの高齢者宅を訪問して安否確認をしたり、話し相手になる「愛の訪問活動」を開始。127の自治体と提携し、約3万8000人の高齢者宅を定期的に訪問して、安否確認の情報を自治体に報告している。
 07年ごろからは、「地域の見守り・防犯協力活動」を本格的に開始した。YLによる日々の訪問活動の延長として、地域の防犯や見守りを行う。19年3月現在で全国103社の販売会社で組織が構築されている。
 ヤクルト本社では、各販売会社が受け持つ地域をYLに割り振っており、地域をくまなく網羅しているのが強み。販売会社ごとに全国878の自治体や警察と連携。締結する内容はその団体によって異なるという。
 定期的な営業活動で得たYLの情報やノウハウは、地域の防犯や高齢者の見守り活動につながっている。警察の振り込め詐欺防止のチラシを配布したり、腕章をつけたり、バイクにステッカーを貼付=写真して、自治体の防犯情報誌を配布している。
 顧客宅で異変があった場合はYLが警察署に通報。署員が救助した事例も少なくない。18年度の事例では、「大阪東部ヤクルト」のYLが玄関先で倒れている顧客を見つけ通報した。「東京ヤクルト北カンパニー」では、特殊詐欺犯の現行犯逮捕に協力した例もあったという。
 YLに対しては、販売会社ごとに、AEDの使用方法を習得する研修を行っている。九州の販売会社では「認知症サポーター養成講座」を社員やYLが受講するケースもある。「活動を通じて高い使命感を持って従事する人も多い」(広報室)としており、活動がモチベーションにつながっているようだ。
 また、販売会社の社員やYLが講師となって、公共施設や配送センターに地域住民を集めて健康に関する情報を提供する「健康教室」も展開。18年度は国内で約1万2500回、約37万人が参加した。地域の社会福祉協議会や地域包括支援センターなどから依頼されるケースが多いという。腸内環境に関する重要性や季節に流行する疾患などテーマは幅広い。健康教室については、開催費用の一部を本社が助成する。


【シニアライフクリエイト】フレイル予防の取り組み強化

 「宅配クック ワン・ツゥ・スリー」をフランチャイズ(FC)展開するシニアライフクリエイト(本社東京都、高橋洋社長)は、弁当宅配の際に「見守り活動」を行っているほか、行政や警察などと提携し、注意喚起のチラシなどを配布している。

(続きは、「日本流通産業新聞」7月23日・30日合併号で)

高齢者を集めた「地域サロン」で催された健康セミナーの様子

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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