大幸薬品 〈EC向け卸が拡大〉/「クレベリン」、約10億円に

  • 定期購読する
  • 業界データ購入
  • デジタル版で読む
「クレベリン(置き型)」

「クレベリン(置き型)」

 大幸薬品がEC事業者向けの商品卸を拡大している。二酸化塩素によって空間に浮遊するウイルスや菌を除去する「クレベリン」の、アスクルやMonotaRO(モノタロウ)といったBtoB―EC事業者に対する供給が伸びている。BtoB事業者に対する「クレベリン」の供給額は、卸額ベースで、年間約10億円だが、そのほとんどをEC事業者向けの商品供給が占めている。EC事業者が持つ販売データを共有させてもらい駆使することで、今後のさらなる売上高拡大や商品開発につなげたい考えだ。
 アスクル・モノタロウ・トラスコ中山・アズワンといったBtoB―ECへの商品供給が伸びている。こうしたBtoB―EC事業者の顧客の多くは中小企業だ。
 BtoB―EC事業者が持つ顧客企業の業種を考慮しながら、商品供給を行うBtoB―ECサイトの開拓を行っている。例えば、トラスコ中山は電気や機械といった町工場に強い。アズワンは病院や理化学機械、研究所を網羅している。こうした特徴を理解した上で、過不足なく商品の情報が、さまざまな事業者に行きわたるようにしているという。
 EC事業者との取引では、EC事業者が持つ販売データを共有させてもらうようにしている。どこで、誰が、いつ、何を買ったのか、どのようなプロモーションを行ったのかといったデータをCRM施策に活用。販売データに基づく顧客分析をEC事業者と共有している。EC事業者が顧客に対するプロモーションに役立てられるような提案を行っている。
 「クレベリン」は商品の特性上、インフルエンザの感染時期となる11月から翌1月までの期間に、需要が集中する。「クレベリン」自体の液体発散期間は2カ月間のため、購入から2カ月後の時期に合わせて、アスクルなどのEC事業者では、メール配信などのプロモーションを行っている。
 大幸薬品はEC事業者との関係について「データ活用ではほぼ無限の可能性があるので、製品開発、製品改善といった情報でタイアップしていきたい。供給先の新規開拓も行っていく余地があると考えている」(関真一執行役員感染管理事業開発本部長)と期待している。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

Page Topへ