【NB企業の集客施策】 コロナ後の「デジタル慣れ」に苦戦/リアルイベントの価値を見直す戦略へ(2024年6月6日号)

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 コロナ禍を経てリアル回帰が進んだネットワークビジネス(NB)業界。集客数が徐々に戻ってきた企業がある一方で、苦戦している企業もある。背景にあるのは、オンラインツールの交流が活発化したことによる「デジタル慣れ」だ。ビジネスの利便性が高まったという利点はあるものの、主宰企業には、リアルイベントへの集客を通じてビジネスを盛り上げたいという思惑がある。オンライン活用が当たり前になったNB業界では、改めてリアルの価値が見直され、工夫を凝らした集客戦略が重要になっている。

 コロナ禍で対面での活動が制限されてきたNB業界は現在、活動の場をリアルに戻す動きが本格化している。コロナ以前の集客まで回復させた企業がある一方、中堅NBでは集客が落ち込んだまま苦戦している企業もあるようだ。
 リアルの場で集客が伸び悩んでいるのは、コロナ禍で普及したオンラインツール活用による「デジタル慣れ」が今も残っているためだ。
 デジタル手法は、これまで地方在住でなかなか参加できなかった会員も距離的、時間的制約が解消され、参加しやすくなるなど、ビジネス活動の利便性は向上したが、リアルイベントの参加をためらう人の増加につながった。
 主宰会社はあくまで参加者が実際に顔を合わせるリアルイベントを活性化させたい思惑がある。
 ユサナ・ヘルス・サイエンス・ジャパン(本社東京都、久保田耕司社長)は、オンラインでのビジネス活動が活発化した一方で、リアルイベントへの集客は苦戦している1社だ。春日宗充マーケティングマネージャーは「NBは会うことが本質のビジネス。他グループに触発されるなど、リアルならではの良さがある」と話す。
 エックスワン(本社東京都、齊藤勝久会長兼社長)は、リアルとオンラインを合わせた集客数がコロナ前よりも増加した。コロナ禍で中止していたリアルイベント「トータルエイジングコンテスト」を23年末に再開。参加者の動きは戻りつつあるが、集客数の回復には至っていない。そうした中で「今年はリアルイベントの集客を強化したい。地方からも来てくれる人は来てくれる。その人たちをきっかけに集客していく方針だ」(担当者)。


■仕掛け作りで成功例も

 大手や外資系NBでは、大規模なコンベンションに照準を合わせた積極的なプロモーションで集客を強化している。
 ノニ―ジュースを販売するパートナーコ・ワールドワイド(本社米国ユタ州、ダレン・ゾブリストCEO)では、

(続きは、「日本流通産業新聞」6月6日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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