NTTマーケティングアクトProCX/900万件の個人情報が流出/山田養蜂場は400万件(2023年10月26日号)

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 NTT西日本の100%子会社で、コンタクトセンター事業を行うNTTマーケティングアクトProCX(以下プロクス、本社大阪府、室林明子社長)は10月17日、少なくとも59のクライアントの顧客の個人情報約900万件が第三者に流出したことが分かったと発表した。その内約400万件は、山田養蜂場の顧客情報であることが明らかになっている。化粧品通販のフォーマルクラインの顧客情報約19万件も漏えいされたという。個人情報が漏えいされた企業・団体の中には、2社以外の通販企業が含まれる可能性もある。


■10年にわたり派遣社員が持ち出し

 プロクスの発表によると、流出したのは、クライアントの顧客の氏名・住所・電話番号などの個人情報。クライアント2社については、81件のクレジットカード情報が含まれているという。
 うち約100万件については、クライアント名が現時点で特定されておらず、対象となる企業・団体は今後増える可能性がある。
 プロクスが利用するコールセンターシステムの運用保守業務を行うNTTビジネスソリューションズ(以下BS、本社大阪府)で、運用保守業務に従事していた派遣社員1人が、クライアントの顧客情報を不正に持ち出し、一部もしくは全部を、名簿事業者に流出させていたことが確認されたとしている。当該派遣社員は今年7月10日が最終出社で、現在は退職済みという。
 BSによると、「作業自体は、社員2人、派遣社員2人の計4人で行っていた。ただ、派遣社員1人の管理者IDで情報にアクセスできる状態になっていた」(広報担当)としている。流出は、13年7月ごろから始まって、今年の1月まで続いていたとみられるとしている。


■流出した企業・団体は「お詫び」の文書を公表

 個人情報が流出した企業・団体は続々と「お詫び」の文書を公表している。山田養蜂場の文書によると、流出の対象となったのは13年7月~23年1月の期間の顧客情報約400万件。不正に持ち出された可能性があるのは(1)氏名(2)住所(3)電話番号(4)生年月日(5)性別─。カード情報などの流出はないとしている。
 同社では、対象顧客が特定でき次第、個別連絡する方針。「同様の事態が再び発生しないよう業務委託先はもちろん自社内においても個人情報管理体制の一層の強化を図っていく」(文化広報室)と言う。顧客に対する補償や、NTT側への賠償請求などについては、「検討中」(同)としている。
 フォーマルクラインでは、19年6月から、休眠顧客の掘り起こし業務を、プロクスに委託していたという。19年9月2日~23年2月1日までの間の18万8507件の顧客情報、が流出の対象になったとしている。流出した情報は(1)会員ID(2)氏名(3)電話番号(4)携帯番号(5)住所(6)性別(7)年齢(8)誕生日─など。カード情報や決済情報は含まれないという。
 同社では、

(続きは、「日本流通産業新聞」10月26日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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