東京都/学習教材訪販に6カ月停止/5年間で相談件数は30件

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「学校の先生しか持つことができない教材を独自のルートで入手した」「限定40セットで、もう39セット出ているので早くしないとなくなってしまう」などとうそをついて、中学生向けの学習教材を販売していたとして、東京都は2月8日、ユーアイ学習社(本社神奈川県、石井宏行社長)に対して、特定商取引法に基づき6カ月間の一部業務停止を命じた。
 都によると、ユーアイ学習社の電話アポインターが「○○(大手出版社名)だが、お子さんの教材の件で説明に訪問してもよいか」「話だけでも聞いて欲しい」などと言って、小学6年生や中学1年生がいる家庭に電話し、訪問の約束を取り付ける。訪問した営業員は、「うちで扱っている教材は、教師しか持つことができない教材を独自のルートで入手したもの。テストは必ずこの中から出題されるし、この教材を使えば必ず成績は伸びます」とうそを言って勧誘していた。
 訪問を受けた母親が「×××万円以上もする教材なので夫に確認してから判断したい」と断っても、「どこの家庭でも子供の教育のことは母親が決めている。成績が上がった時にご主人に話せばいい」などと執拗に勧誘を続けていた。
 消費者がクレジット申込書に記入する際には「世帯主収入は多めに書いて、奥様の収入は○万円、以前勤務していた会社で今も働いていることにしてほしい」などと虚偽記載を指示していたという。
 都に寄せられた相談件数は5年間で30件、平均年齢は44・2歳。平均契約金額は77・3万円、最高で113万円だった。

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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