〈訪販・対面販売〉 催事開催数が回復傾向/ポーラは月間2万人以上を接客(2023年2月2日号)

  • 定期購読する
  • 業界データ購入
  • デジタル版で読む

 訪販などの対面販売の企業は、催事による集客が回復傾向にあるようだ。コロナ禍においては、催事販売やイベント開催を控えたり、控えざるを得なかったりするケースが続出していた。行動制限を緩和する機運が醸成されたことから、各社では、積極的に催事の開催数を増やしているようだ。化粧品訪販最大手のポーラ(本社東京都)では22年6月以降、全国の催事で月間2万人以上を接客しているという。催事の開催場所を提供する企業も、積極的に受け入れ体制の整備を進めている。ホームセンターのコーナン商事(本社大阪府)では、コロナ以降、園芸用品などの需要が高まり、店舗の来客数が増えているという。来店客の増加に合わせて、催事の出店件数も増加傾向にあるという。同社では、さらに開催数を増やしていきたい考えだという。

■デジタルとオンラインの融合

 催事販売やイベントの開催数は、全体的には回復傾向にあるようだ。
 例えば、ポーラでは22年6月以降、コロナの感染状況に留意しつつも、イベントの開催を全国的に活発化させているという。ポーラのサロン全体でいうと、イベントで接客する人数は、月間2万~2万5000人にも及ぶとしている。
 イベントの開催場所はさまざまで、郵便局や自動車のディーラーで行うこともあれば、携帯ショップや大型の商業施設などで行うこともある。各サロンによって開催場所が異なるという。
 コロナ以前、ポーラでは、郵便局や自動車のディーラーでイベントを開催、そこでハンドトリートメントをして接客した人に対して、サロンへの来店を促す施策を行っていた。
 コロナ禍を経て現在はイベントのあり方も、ハンドトリートメント中心から、製品体験型へと変わってきているという。従来のように、サロンへの来店を直接促すのではなく、まずはイベントで商品を体験してもらい、各サロンの公式LINEアカウントに友だち登録をしてもらうことが多いという。LINEを通じて、サロンへの来店を促したり、ECサイトへ誘導したりすることにより、顧客の希望に合わせた形でのフォローを行っているという。
 ポーラでは「販売員であるビューティーディレクターも、従来は『できる限りサロンに来店してもらいリアル接客をしよう』ということを重要視していた。それを、『イベント↓店舗公式LINE↓来店↓LINEフォロー↓再来店』といったやり方に変えた結果、接客自体が進化している」(TB営業企画部)と話す。
 化粧品のサロン販売のシーボンも、イベント経由の集客数が、回復傾向にあるという。
 コロナ前の水準には満たないものの、右肩上がりで増加しているという。
 22年7月度に1548人だった、イベント経由の集客数は、8月度に1648人、9月度に2086人になったとしている。
 シーボンのイベントの出店場所については、本社が主導して決定するケースと、各エリアのサロンが独自に決定するケースの2パターンがあるという。
 本社が主導して出店した、最近の実例としては、東京ドームで開催した、ふるさと納税をテーマにした大型イベントがある。自動車のディーラーや商業施設などへの出店は、各エリアのサロンが独自に決めるケースも少なくないという。
 シーボンでも、イベントの内容を少しずつ変化させているようだ。従来は、イベントで肌分析を行った見込み客に、その場でサロンの予約をしてもらうケースが多かった。
 最近は、その場で物販を行うイベントを開催するケースが増えているそうだ。
 シーボンでは、他企業とのアライアンスの強化にも注力しており、相互送客による顧客数の拡大を図っている。


■水宅配の催事も変容

 水宅配の催事販売も、出店場所が変わってきている。

(続きは、「日本流通産業新聞」2月2日号で)

記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

Page Topへ