<訪販・食品宅配大手> コロナ以降に増収基調が続く/ウェブ注文増も販売員減が課題に(2022年12月8日・15日合併号)

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 訪問販売や食品宅配の大手はコロナ禍3年目となる22年、業績が回復基調になったり、コロナ禍をきっかけに伸長につなげたりする企業が目立っている。ヤクルト本社は、機能性表示食品「ヤクルト1000」が大ヒット。多くのメディアに取り上げられ認知が高まったほか、睡眠に対する関心の高まりを受け、新規のウェブ受注を停止するほどの人気となった。販売員「ヤクルトレディ(YL)」の収入増にもつながっている。訪販大手のダスキンは、22年9月期(中間期)の家庭訪販事業が増収。食品宅配のワタミも22年9月期(中間期)の売上高が過去最高を更新した。ミールキットも投入して攻めに転じている。商品をウェブで受注する仕組みを積極化する取り組みも好調な業績につながっている。コロナ禍が落ち着きを取り戻す中、安定した人材の確保が喫緊の課題になりそうだ。

■【ダスキン】 価格値上げも家庭訪販が堅調

 コロナ禍で苦戦が続いていたダスキンの訪販事業が回復基調にある。22年4―9月期(中間期)の訪販グループのクリーンサービス事業は、主力のモップ全体の売り上げが増加し、家庭向け全体で前年同期比1.0%増と増加に転じた。
 11月22日の中間決算説明会で大久保裕行社長は、7月にマットやモップ、定期補充商品などを値上げしたことが増収要因になったと説明。これにより客単価がアップし、リニューアルした「ロボットクリーナーSiRo」や蛇口直結タイプの小型浄水器の販売の拡大も後押ししたことを挙げた。
 ダスキンでは、長期戦略「ONE DUSKIN」の第3フェーズ「中期経営計画2022」の中で「家庭用営業専任組織」を盛り込んだ。全国で家庭向けに約3万人の販売員を組織しているものの、主力のマットやモップのレンタルは苦戦が続いているためだ。
 「家庭用営業専任組織」は、既存組織とは別に新規客との契約を目指すもので、直営店と関係会社の約60店で試験的に取り組み、24年3月期以降に加盟店展開を予定している。
 また、「CX(カスタマー・エクスペリエンス)」戦略として、レンタル商品のお試し申し込みのウェブ広告を強化した結果、注文が前年同期よりも14%増えた。会員サイト「DDuet(ディー・デュエット)」は会員数が145万人に増加。対面で会うことができない消費者との接点を確保して着実に成果につなげる。


【ワタミ「宅食事業」】 中間売上は過去最高

 コロナ禍でワタミが手掛ける食品宅配事業「ワタミの宅食」が息を吹き返している。

(続きは、「日本流通産業新聞」12月8日・15日合併号で)

ワタミはウェブ中心のミールキットで販売員の収入増を狙う

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「ヤクルト届けてネット」の積極化で受注増に

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記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。

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