YU―WACreation Holdings(旧京都きもの友禅)の22年3月期における「和装店舗運営事業」の売上高は、前期比8.3%増の82億3000万円だった。
「振袖」販売とレンタルは、第3四半期に実施した販促キャンペーンにより来店者数が回復して増加した。しかし、上半期は、長期間の緊急事態宣言に加え、広告宣伝活動のデジタルシフトによる来店促進効果が十分に発揮できなかった。第4四半期(22年1―3月)は、まん延防止措置の影響で、振袖購入需要が高まる時期での集客に苦戦したため、受注高は同8.5%減だった。
既存顧客を対象とした「一般呉服」の展示会販売による受注高は堅調に推移して、同22.6%増の55億7200万円だった。
利益面は、売上総利益率は収益認識会計基準などの適用を加味し、前年同期と比べ1・0ポイント低下し61.8%だった。
販管費は、前期に引き続き構造改革によるコスト削減を進めた。特に広告宣伝費の比率を引き下げつつ売上高を確保し、損益分岐点売上高を引き下げるよう推進してきた。増収したものの、前期は臨時休業期間中に発生した費用(人件費、店舗家賃、催事中止費用)3億7600万円を特別損失として計上していたことから、販管費の対売上高比率は前期並みとなった。この結果、和装店舗運営事業の営業利益は同4.6%減の5億9800万円だった。
23年3月期の予想売上高は、「振袖」については、店舗への来場者数を増やすとともに、成約率を高めて「販売」は前期比46.7%増の25億8300万円に、「レンタル」で同34%増の6億900万円を目指す。「一般呉服」は、展示会催事に注力しつつ、大規模催事をエリア分散する計画。売上高は同2.3%増の57億円を見込む。
YU―WACreation Holdings 22年3月期/和装事業、8.3%増/展示会販売が回復基調に(2022年5月19日号)
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